南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領の追悼式で、アメリカのオバマ大統領らのスピーチを手話で通訳していた内容がデタラメだったと、大きな騒ぎになっている。通訳の男性(34)は「私は手話のチャンピオンだ」と開き直ったり謝罪したりで、何が何だかわからない。
本人は「私は手話のチャンピオン。大きなイベントで何度も通訳をしてきた」
10日(2013年12月)にヨハネスブルクで行われた追悼式には、日本から皇太子殿下と福田康夫元首相、イギリスのキャメロン首相、フランスのオランド大統領とサルコジ前大統領、アメリカはオバマ大統領のほかブッシュ、クリントンの前元大統領、クリントン夫人まで出席した。
問題の通訳は演台のすぐ脇に立って約4時間「手話」を続け、その映像は各国に中継されたから、あちこちから「デタラメ」という声があがった。手話のわかる人たちは「正確さはゼロ」「引きずり降ろしたかった」「何の意味もない。変な動きをしているだけ」と呆れた。地元テレビ局はスピーチの正しい手話と並べた画像をネットに流したが、全然違うことが一目瞭然だった。
男はいったいだれなのか。これがよくわからない。IDカードを首から下げていたが、わけのわからない男が大統領のすぐ脇にいてはたまらない。ホワイトハウス報道官は「恥ずべきことだ」とコメントした。
「モーニングバード!」が南アの障害者担当副大臣に電話で聞くと、「34歳の男性で、なぜ彼になったかはわからない。調べている」という回答だった。その後、副大臣は会見で「適切でない人を雇ってしまった」と謝罪した。
テレビ局の取材に答えた男性は「あの日、何が起きたかというと、天使がスタジアムに舞い降りてきたのを見た。あとは記憶にありません。誰か傷ついた人がいたら、どうか許してください」とますますわけがわからない。地元ラジオには、「手話のチャンピオンだ。大きなイベントで何度も通訳をしてきた。もし間違っているというのなら、なぜいままで指摘しなかったのか」と反論もしている。
手話通訳は1人20分が限度
司会の羽鳥慎一、「笑ってしまうような話ですよね。なんでこんなことになったのかな」
ロンドンの吉田豪記者はBBCが連日大きく取りあげているという。それによると、南アフリカには手話の標準がなく、手の動きからは男は「ロバ」「エビ」「稲妻」を繰り返していたという。男性が所属する会社はすでに会社自体がなくなっていたと伝えている。
羽鳥「政府が雇って仕事をしていたのでしょう」
吉田「これまでは国内の仕事だったが、今回は世界中で何億人もの人が見たのでわかったのかもしれませんね。手話通訳は連続20分が限界といわれるが、1人で4時間ということがそもそも変だったのかもしれません」
飯田泰之(明治大准教授)「ウソは堂々としていれば通ってしまう」
長嶋一茂(スポーツキャスター)「IDカード持って、VIPに近づけちゃう。その方が問題だ」