10日(2013年12月)の南アフリカのマンデラ元大統領の追悼式で、オバマ米大統領らの追悼スピーチの横で行っていた手話通訳がまったくのでたらめというか、手話ものまねだった。しかし、主催側が雇った男らしく、4時間ずっと手話通訳パフォーマンスを続けていた。
岸本哲也リポーター「タムサンカ・ジェンディという男で、地元ラジオ局に『自分はこれまで何度か国際会議での通訳を務めたこともある。南アフリカの手話通訳の頂点に立つ人間。チャンピオンだ』と答えています」
専門家「南アフリカの手話でもない。ただ手を動かしてるだけ」
世界の手話に通じているジェトロの森壮也主任調査研究員はタムサンカが通訳している映像を見て、「手話には世界共通の手話もあれば、イギリスだけとかアメリカだけという、その国独自の手話があります。しかし、この動きは南アフリカの手話ではありません。ただ手を動かしているだけ」という。
追悼式が始まる1時間前にタムサンカは会場に現れ待機していた。タムサンカは「あの瞬間、天使が舞い降りてくるのが見え、手話通訳を続けるのが困難な状況に陥った」と意味不明なことを語っている。
格安料金で売り込み。派遣会社も架空だった
メインキャスターの小倉智昭「この通訳の首には関係者用のパスが下がっている。誰かが正式に通訳を依頼したわけで、誰が依頼したのかな」
岸本「南アフリカの手話通訳の報酬は1時間125ドルから165ドルだそうです。日本円に換算すると1万3000円から2万円弱。ところが、この通訳は通訳派遣会社を通じて、1日2万円前後で良いと格安料金を提示してきたといいます。しかし、この派遣会社は架空のものでした」
コメンテーターの深澤真紀(コラムニスト)「私も講演会などに呼ばれることがあり、その時に手話通訳をお願いするケースもありました。講演会が長時間に及ぶときは、通訳の方が何人かきて交代で通訳をしていました。問題となっているこの通訳が、1人で4時間も通訳していたとは考えられません」
マンデラ氏はデタラメ手話通訳騒動に苦笑いしているだろう。