2019年に一大ブームを引き起こした「タピオカ」。期間限定テーマパーク「東京タピオカランド」が東京・原宿駅前にオープンし、「タピる(編注:「タピオカドリンクを飲む」、「タピオカを食べる」の意味)」は「2019ユーキャン新語・流行語大賞」トップ10入りを果たした。
多くのタピオカドリンク店が各地で開店し、行列もしばしば見られた。だが最近、ツイッターで「タピオカ」と検索すると店舗の「撤退」や「閉店」に関する呟きが複数見つかる。コロナ禍で飲食店がダメージを負うなか、タピオカドリンク店の現在を取材した。
通りは絶え間なく人が行きかうが
2020年8月4日の午後、記者が最初に足を運んだのは東京・町田。19年5月にも訪れた、3ブランドのタピオカドリンク店が狭い範囲にひしめく「三つ巴」の地だ。JR町田駅前にある商業施設に入っている店などで、1年余り前は店舗前の道に大行列ができていた
いずれの店も営業中だったが、記者が通りから15分程度観察した限り、客足はまばら。駅近で通行人は途切れない立地だが、時折1、2人がふらりとやってくる、あるいは店内に女子学生2人組がいるのみだった。
次に向かったのは、ツイッターに「タピオカドリンク屋が軒並み閉店しておった」との報告が見られた下北沢。駅近くの商店街で営業している3店舗を回り、それぞれ15分ほど客の出入りを観察した。どの店も、人が絶え間なく行きかう通りに面している。
まず、こぢんまりとしたタピオカ店。近くから様子をうかがっている間、客は来なかった。店の前を通りすぎる際にちらりと視線を送る人は何人もいるが、購入には至らない。2軒目の有名店は、記者が通りかかった時に2人組の若い女性がちょうど注文していた。しかしその後の利用客はゼロ。3軒目も1軒目同様、店に入っていく人はいなかった。
ただ、閉店したようなタピオカ店は見当たらなかった。