12月12日は日本漢字能力検定協会が制定した「漢字の日」。毎年、京都の清水寺で発表される「今年の漢字」もこの日にあわせて発表されている。文字は人なり。性格や心理は文字に現れるから、クセを変えれば性格も変わるという。ふだん何気なく使っている漢字の奥深い世界について考える3冊。
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福井県はなぜ漢字学習でめざましい成果をあげたのか
漢字学習では、漢字の成り立ちについて先生が一方的に説明するのではなく、子どもたちが自分なりに推理しその理由を互いに話し合う作業が大切だという。著者・白川静氏の故郷・福井県では、白川文字学に基づく独自の漢字教育に取り組み、めざましい成果をあげている。『白川静博士の漢字の世界へ』(編・福井県教育委員会、平凡社、1728円)は小学校学習指導要領(国語)別表「学年別漢字配当表」の漢字、全1006字のすべてについて、古代文字があるものはそれを示し、各字の成り立ちをわかりやすく解説。2008年より県内全小学校で使われている。
「漢字の成り立ちに興味を持ち、新出漢字に応用する児童もいた」、「古代文字は、児童にとって興味をそそるものであることが感じられた」など、福井県内の各小学校から多数感想が寄せられているという。
漢和辞典のあらゆる謎が一気に解決!
「外郎」の「外」は「ウイ」と読む唐音だが、「唐音」って何?「龍」と「竜」はどちらが正しいの?「政」の「正」は四画か五画か?「東」は木に日が昇るところか?「輝」の部首は「光」ではない?「鉄道」という熟語が載っていないのはなぜ?そして同じ字でも辞典によって部首や画数が違うのはなぜ?......などなど、漢和辞典はまさにナゾだらけ。でもその根拠を知れば、千年以上にわたる日本人の漢字受容の歴史が浮かび上がってくる。
『漢和辞典に訊け!』(著・円満字二郎、筑摩書房、778円)は、出版社で高校国語教科書や漢和辞典などの編集を17年近く担当した後、フリーの編集者に転身した著者の辞典編集者ならではのウンチクがギッシリ詰まっている。使いこなせば、さらに新たな漢字の世界が広がるかも?!好みの漢和辞典がみつかる付録「独断!漢和辞典案内」付き。
人気書道家・夕凪が教える「文字の書き方」で人生好転
「しょっちゅうイラつく性格をなんとかしたい! 」「人前で明るく、堂々とふるまえるようになりたい」「自分のなまけグセにうんざり」って思ったことはありませんか?でもいますぐ変えるなんて無理!と諦めてしまう人が大半。『1日1文字「書く」だけで性格は変えられる!』(著・夕凪、サンマーク出版、1512円)では、もっともシンプルな形で性格を魅力的に変える方法を紹介してくれる。
その方法とは、「文字の書き方を変える」というもの。古くから「文字は人なり」と言われてきたように、文字のクセは、書いた人の性格や心理状態を映し出す。書くという行動の結果に思考や感情など目に見えない部分が表れるからこそ、反対に書き方を変えることで、自分自身を内面から変えていくことができるという。繰り返し何度でも練習できる特別付録・水書紙付き。小筆と水さえあれば今日から実践できる。