「社員は家族」という思いを形に!(下電造園土木株式会社 渡邉真行社長 松本武司会長)

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   健康経営優良法人の認定を目指す企業経営者にヒントを――。そんな思いのもと、連載中の「健康経営のススメ!」。

   これまでに認定を受けた企業や、積極的に健康経営を推進している企業の先進事例のほか、コロナ禍で社会的課題となった従業員のストレス対策として、産業医のアドバイスを有効活用する企業の事例など、できるだけ具体的なノウハウに焦点を当ててきた。

   第23回は、1970年創業、「社員は家族」をモットーに造園工事業を営む岡山県岡山市の下電造園土木株式会社。

   従業員は36人。経済産業省の健康経営優良法人2022、2023に連続認定されている。前代表取締役社長で現会長の松本武司(まつもと・たけし)さん、2023年に社長に就任した渡邉真行(わたなべ・まさゆき)さんに話を聞いた。

  • 朝礼時のラジオ体操
    朝礼時のラジオ体操
  • 下電造園が施工した駿河沼津サービスエリア
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社員の心に灯をつけて、ワークエンゲイジメントを高めたい

――健康経営を導入されたきっかけをお教えください。

松本会長 きっかけは会社単位で行う健康診断です。全社員が健康診断を受診していますが、診断結果が悪い人や再検査が必要な人が、そのことを軽視しているように感じられたのです。
以前までは、「個人の健康状態は、個人の責任」であり、個人的な問題であるとしてどこまで関わってよいものか悩んでいました。しかし、私自身の考えも変わり、「会社単位で社員の健康を管理する必要がある」として、全社員に対して積極的な受診勧奨を行うようになりました。
そのためにもまずは「私からその姿勢を見せていこう!手本になろう!」と思い、二次検査を受診したところ、偶然にも異常が見つかったのです。幸い早期治療することで大事には至りませんでした。しかし、この経験から、年1回の健康診断がどれだけ重要な意味を持つのかをより強く実感し、「健康経営」を進めていこうと決心しました。
そんな中、アクサ生命から「健康経営優良法人認定制度」について話を聞き、私の考えと非常にマッチしていると感じたため、健康経営を導入・実践し、認定取得を目指すことにしました。

――どのような取り組みを実践されていますか。

松本会長 朝礼や会議など、社員が集まる場において健康に関連した情報提供、呼びかけを行っています。まずは、全社員に向け、「会社として社員の健康を守っていく!」ということを理解してもらうことに努めています。また、具体的な取り組みとして、朝礼時にラジオ体操を始めました。
継続して行うことで社員の一体感を高めつつ、運動不足と感じていてもなかなか動き出せずにいる社員へのきっかけ作りになっていると感じます。
私も毎朝のウォーキングを始めました。毎日欠かさず続けています。そのかいあってか、定期的に行う血液検査の結果も改善しました。まずは経営者である私自身が動いて見せること、そして、そこからきちんと効果が出てきていることを伝えることで、参加意識を高めていきたいと考えています。

――取り組みのなかでどのような変化が出てきていますか。

松本会長 健康経営取り組んでいく中で、社員の中でも特に若い社員や新入社員の関心度が高いことに気づきました。「健康経営」、そして最近よく耳にする「SDGs」について興味を持つ社員が多いことを知り、やはりこの取り組みを進めていくことに間違いはないのだと確信しました。
これに関連して、福利厚生制度の拡充や就業規則の見直しなど、今の時代に合ったことをやっていくことが、会社にとってもプラスの効果があるはずであると感じています。

――2023年から渡邉社長に引き継がれましたね。

松本会長 2021年より健康経営を導入して取り組みを開始し、2022年、2023年と連続で「健康経営優良法人認定」を取得しました。渡邊新社長には、ここからさらに継続して認定を取得していくためにも、全社員に対して自分の健康に向き合えるチャンス、タイミングを作り続けてもらいたいと思います。社員は家族と同じです。この気持ちを忘れずに、これからもいろいろなことにチャレンジしていってもらいたいと思います。

――渡邉社長が2023年から経営を引き継がれて、どのようなことに取り組まれますか?

渡邉社長 スポーツジムに通う際に会社から補助金を出すことを掲げたので、その提携先を探したいと思います。会社の中では営業や工務とで職種が違うのでみんなで一緒に、という施策は朝礼でのラジオ体操と、限られていますので。
一方、健康診断では過去に従業員が再検査を怠って、大事になった方もいます。ここ最近では再検査に行ってその当日に即入院になり、近々仕事復帰できそうな人もいて、本当に健康診断の大切さをあらためて実感しました。再検査に行かないで1年放置していたらと思うとこわいです。健康診断と再検査の受診励行は特に徹底したいと思います。

――会長(前社長)は3年前にウォーキングを始めたと言われていましたが、新社長は何か始めたことはありますか。また、コロナ後に会社で行ったことはありますか?

渡邉社長 私自身は、体重管理を始めました。毎日測って、増えたら節制しています。コロナ後には、社員の日(会社で平日に1日休みを設定している日)で日帰り旅行に行きました。また、コミュニケーションをとり、親睦を図る目的で、ボーリング大会を8月に開催しました。大変もりあがりましたので、今後もいろいろとやっていきたいと思います。

――今後の抱負をお聞かせください。

渡邉社長 健康第一。業績を上げていくのも一人ひとりが健康でないと実現することはできない。健康管理は各個人の意志によるところにゆだねないといけない部分はありますが、業績が悪くなると個人の心労にもつながっていくので、会社としては社員の心に灯をつけてワークエンゲイジメントを高め、それが業績の向上につながるような好循環をつくりあげるように頑張っていかなければならない、と思っています。
36人の社員ですが、他の協力会社の社員も含め、高齢になる方もおり、家庭生活が不安なく送ってもらえるようにしないといけないと考えています。従業員にはそれぞれの人生の目的に向かってライフプランをたて、健康管理やいざという時の保険のことを主体的に考えてもらえるよう意識付けする必要性を感じています。会長(前社長)が保険等に関しては、しっかりした考えのもとに準備してもらえていたので感謝しています。また、下請け企業のみなさんの健康にも気を配り、社員と協力業者の健康と幸せを実現し、広く社会に貢献できる企業となることを目指していきます。
会長(前社長)が苦労しながらも残してくださった経営基盤を、今以上に強化・拡大して次の世代に引き継げるようにしたいと思います。今、仕事が頑張れるのは社員と家族がみんな元気でいてくれるから、という思いを強くしているので、常にそこを考えながら頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました。

【会社概要】
下電造園土木株式会社
代表取締役社長 渡邉真行さん

・本社所在地   岡山県岡山市
・主な事業内容  造園工事業
・従業員数    36名
・健康経営優良法人 2022、2023連続認定

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