健康経営優良法人の認定を目指す企業経営者にヒントを――。そんな思いのもと、連載中の「健康経営のススメ!」。
これまでに認定を受けた企業や、積極的に健康経営を推進している企業の先進事例のほか、コロナ禍で社会的課題となった従業員のストレス対策として、産業医のアドバイスを有効活用する企業の事例など、できるだけ具体的なノウハウに焦点を当ててきた。
第22回は、1971年創業、平均寿命の伸びに伴い定年を65歳に引き上げ、社員が心身ともに健康で長く勤められるよう社員自身の「健康寿命」に対する意識を高めて、積極的に健康づくりを実践できる会社を目指す岡山県倉敷市の自動車小売業三備ホンダ販売株式会社。
従業員は77人。経済産業省の健康経営優良法人2022、2023に連続認定されている。代表取締役社長の平松拡視(ひらまつ・ひろし)さんに話を聞いた。
幸せを総量で増やしていく
――健康経営を導入されたきっかけをお教えください。
平松社長 当社は「ホンダ車を通じたサービスにより、地域のお客様に夢と満足を満たしていただくため、日々の努力を惜しまない」を社是として、「日々の努力」の中に健康づくりも含めています。
健康の維持・増進に努めることは、社員自身が日々を楽しく豊かに過ごすためだけでなく、ご家族の安心にもつながり、さらにはお客様との良好な関係を築くなど、多くの場面に影響すると感じています。
だからこそ、社員一人ひとりが社是と健康経営の理解を深め、意識的に取り組むことが重要と考えています。この取り組みで、当社に関わる全ての方々の幸せや地域の活性化につながればうれしいです。
――どのような取り組みを実践されていますか。
平松社長 行動四原則「1.大きな声で 2.きびきび行動 3.自分から挨拶 4.明るい笑顔」という接客業には当然と思われる行動指針をあえて打ち出し、社員一人ひとりが意識するように心掛けています。
その心は、行動四原則を実践することで、お客様にとってのプラス効果だけでなく、職場全体に活気を生み、社員のモチベーションや仕事の質を高めることにつながるからです。さらに、この行動自体が、社員の健康チェックの項目として健康管理に役立っています。働きやすい職場づくりは、会社の福利厚生や制度、設備環境だけでなく、自分たちの日々の行動からもつくれることを実感してほしいと願うからです。
――今後の展望をお聞かせください。
平松社長 自動車業界の100年に1度の大変革期となる現在の環境の中で、「関係するすべての人、会社との相互成長発展をもとに、幸せを総量で増やしていく」を方針としています。
目の前にある幸せも大事にしながら、発展による大きな幸せを継続して獲得できるよう、準備やリスクに対応できる情報を収集し、システムを導入しながら大変革期にも成長できる企業づくりをスタッフとともに進めます。
また、生涯現役を目標として、社員の健康寿命を延ばすため、心と体の健康管理や健康に向けての活動を会社で取り組み、従業員が安心して勤められる企業になることを目指しています。
――ありがとうございました。
【会社概要】
三備ホンダ販売株式会社
代表取締役社長 平松拡視さん
・本社所在地 岡山県倉敷市
・主な事業内容 自動車小売業
・従業員数 77名
・健康経営優良法人 2022、2023連続認定