「やっと出会えた!」
長年探し続けていたものにようやく巡り合えたような、そんな気持ちがあふれてきました。英紙ガーディアンが、「ズキズキ」「ちくちく」などの「onomatopoeia」(オノマトペ、擬音語など)を外国語で表現する日本語ガイドブックを紹介。オノマトペに悩む外国人にとっての救世主だと取り上げています。
記者が「linguistic trap」(言葉の罠)だとするオノマトペは、じつは英語を学ぶ私たちにとっても、最大の障害です。「ズキズキする」痛みと「ちくちくする」痛みの違いを英語でどう言えばいいのか。 面白いことに、三重県NPOが外国人向けに作った日本語ガイドブックで、英語の悩みも解決できそうです!
「ガンガン」する頭痛、「ピリピリ」する虫さされ...「痛み」を英語で言うと?
三重県のNPOが作った「絵から音がわかる本」は、「onomatopoeia」(オノマトペ)を紹介する外国人向け日本語ガイドブックです。イラストや漫画をベースに「ドキドキ」「げらげら」などの言葉を紹介しています。たとえば、「げらげら」にはおなかを抱えて笑う姿など、オーバーリアクション気味のイラストとセットで言葉が覚えられる作りになっています。
この本を紹介したのは、大阪在住の英国人記者。外国人にとって日本語のオノマトペは「trap」(罠)であり、「時に笑われたり、恥ずかしい思いをしたりする結果になる」と書いています。日本語の取得に苦労したことが伝わってきて、思わず親近感がわいてきました。
なぜなら、外国語を取得する際、一番と言っていいほど苦労するのがオノマトペだからです。使い方を間違えるとまったく違う意味になってしまう危険性はありますが、感情や状況を伝えるのにとても便利な言葉なのです。
そのあたりは記者も経験済みのようで、オノマトペは「quick and effective way to get through to a friend or colleague」(一瞬で効果的に、友達や同僚と意思疎通できる)と「効用」も強調しています。
ガイドブックではたとえば、病院で医者に「痛み」を伝える時に使う日本語が紹介されています。逆にこれが、英語を学ぶ私たちにとって「超便利」! 日常生活で使えるお助けワードが満載なのです。一部をご紹介すると...。
zuki zuki:足首がズキズキ痛むは「throbbing」
gan gan:頭がガンガン痛むは「pounding」
piri piri:虫に刺されてピリピリ痛むは「stinging」
muzu muzu:のどがムズムズするは「scratchy」
どうですか? 今すぐ、使えそうなワードばかりですよね。私は以前、胃痛でロンドンの病院に駆け込んだ時、「ズキズキする痛み」と「ちくちくする痛み」の違いを伝えられずに、冷や汗をかいた経験があります。その時にこのガイドブックがあったなら...と思わずうなってしまいました。