このコラムが始まったころ、世の中はコロナ禍の真っただ中でした。
スーパーに買い物に出かけると、そこはマスク姿の女性ばかり。兼業主夫としては「なんで昼間のスーパーに男性がいるワケ?」などと思われてそうな気がして、肩身の狭い思いをしていました。いま思うと、そんなのは勝手な思い込みにしか過ぎなかったワケですが。
男性育休取得率、まだ2割にも届きません。女性の管理職比率、部長相当職8.0%と偏った数字になっています。
ところが、あれから2年以上経って気づいたことがあります。昼間のスーパーで買い物している男性比率が、明らかに増えていること。お子さん連れも、ちょこちょこ目にします。
男性は働き、女性は専業主婦として家庭を守る。それが標準的な家庭モデルだった時代から、夫婦が共働きして家計収入を支える時代へと移り変わる...いまは、ちょうど過渡期のようです。
会社の中の雰囲気も、徐々に変わりつつあります。
ほんの数年前なら、「男性が育休を取る? バカなことを言うんじゃないよ!」なんて笑われても不思議ではない感覚がありました。しかし、いまや育休はもちろん、女性の産休に相当する「産後パパ育休」なるものができるなど、過去の常識が覆るような制度がいくつも施行されています。
「男は仕事、女は家庭」という認識が崩れていくと、昼間のスーパーで男性を見かける頻度が高まるんだなあ、ってあらためて思います。
そんな歴史的過渡期の中、2023年7月に厚生労働省が「令和4年度 雇用均等基本調査」を公表し、最新の男性育休取得率が判明しました。その比率、17.13%・・・ん?
さらに、女性管理職の比率も判明しました。部長相当職8.0%、課長相当職11.6%、係長相当職18.7%・・・ん?
全っ然、増えてないじゃないですか。
ただ、男性育休取得率が17%を超えたというのは、10年ほど前はゼロに近かったことを考えると大きな進展ではあります。しかし、まだ2割にも届きません。
女性の管理職比率にいたっては、部長相当職で8%ということは、残り92%の部長は男性ということです。めちゃくちゃ偏った数字になっています。
政府は東証プライム市場の女性役員比率を2030年までに30%にする目論見を立てているようですが、社内昇進では相当ムリがあるじゃないですか。社外取締役などを増やすか、役職者以外から大抜擢するか、ということになりそうです。