会社が起こした不祥事の背景について、説明責任を果たすべきなのに。
ところが、先日テレビを観ていて、あれっ?と思うことがありました。
中古車販売大手のビッグモーターが起こした一連の不祥事について、記者会見を開いた時のことです。会社のオーナーでもある創業社長や新社長たち数名が並んで、メディアからの質問に答えていました。
しかし、いまひとつ説明がピンとこないというか、社長以下それぞれの人たちは質問に答えてはいるものの、事情をよくわかっていないかのような釈然としない印象を受けました。
その後の報道によると、不正行為やパワハラなどがエスカレートしたころに、会社運営の実質的な権限を振るっていたのは、創業社長の長男にあたる副社長だったのだとか。そう聞いて、妙に納得しました。
でも、記者会見の場に、副社長の姿は見えませんでした。その後も、雲隠れしたままです。会社運営の権限を持っていたのであれば、最も責任があり、会社が起こした不祥事の背景について説明責任を果たせるのは副社長のハズです。
なのに、肝心の副社長が一切姿を見せないなんて、ヘンじゃないですか。
選挙権を得た長女に政治家を選ぶ責任について語った後だっただけに、何とも言えない虚しさを覚えました。
ただ、よく思い返してみると、日ごろは威勢よく権限を振りかざすのに、イザとなると部下に責任を押しつけて姿を隠すエライ人って、会社の中でたくさん見てきた気がします。そういう人に限って、上司のご機嫌とりに長けてて、出世したりするんですよね。
そうやって権限だけは振るうのに、それとセットなはずの責任から逃れてもすまされる人って、そもそも責任者と言えるのでしょうか?
権限は有って、責任は無しって...そうか、だから世の中はそういう人のことを「無責任」と言うのか! と独り言ちながら、妙に納得しました。(川上敬太郎)