環境に優しいと言いつつ、ホンネは儲けることに夢中...ではないですよね?
ハテ、暑いと感じた時点で、もうムリをしているようにも思うし、もっと暑くても耐えられた記憶もあるし。果たして自分はいま、ムリをしているのかしていないのか・・・。
暑さの中、ボーっとそんなことを考えていると、夏休みで大変ゆっくり起きてきた大学生の長男がリビングに入ってくるなり言いました。
「なんか、この部屋暑すぎない? ピッ」
部屋に入るやいなや、間髪入れずにエアコンのスイッチを押した長男。
エアコンが部屋の空気を冷やし、モウロウとしかかっていた意識が戻るにつれてわかってきました。どうやら、自分は気づかないうちにムリをしていたようです。
熱中症で亡くなった方の中には、節電しようとこうやって知らず知らずのうちにムリしてしまったケースもあるのではないでしょうか。
やがて、徐々に冷やされていく空気に体が馴染むにつれ、今日の新聞を読んでなかったことに気づきました。紙面を開いてみると、やたら目に入ってくるのが電気に関する記事。
「経済ニュースは、連日EV(電気自動車)の記事ばかりだな」
そこで、疑問が浮かびました。EVって増えれば増えるほど、もっと電気が必要になりませんか。
それなのに、節電でついエアコンをガマンして熱中症になってしまう人がいるとしたら、矛盾している気がします。
環境への優しさから、排ガスを出さないEVにシフトするのはわかりますが、人への優しさから、ためらうことなくエアコンが使えるよう充分な電力を確保することも大切なはず。
さらに気になるのは、いま世界中の自動車メーカーがEVの販売を競い合っていることです。
まさか、環境に優しいと言いつつ、ホンネは儲けることに夢中で闇雲にEVを増やし、人への優しさなど眼中にない、なんてことはないですよね?(川上敬太郎)