真夏の節電要請でエアコンをガマンしてるのに、EVを増やすのって矛盾してませんか?【vol.28】(川上敬太郎)

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環境に優しいと言いつつ、ホンネは儲けることに夢中...ではないですよね?

   ハテ、暑いと感じた時点で、もうムリをしているようにも思うし、もっと暑くても耐えられた記憶もあるし。果たして自分はいま、ムリをしているのかしていないのか・・・。

   暑さの中、ボーっとそんなことを考えていると、夏休みで大変ゆっくり起きてきた大学生の長男がリビングに入ってくるなり言いました。

「なんか、この部屋暑すぎない? ピッ」

   部屋に入るやいなや、間髪入れずにエアコンのスイッチを押した長男。

   エアコンが部屋の空気を冷やし、モウロウとしかかっていた意識が戻るにつれてわかってきました。どうやら、自分は気づかないうちにムリをしていたようです。

   熱中症で亡くなった方の中には、節電しようとこうやって知らず知らずのうちにムリしてしまったケースもあるのではないでしょうか。

   やがて、徐々に冷やされていく空気に体が馴染むにつれ、今日の新聞を読んでなかったことに気づきました。紙面を開いてみると、やたら目に入ってくるのが電気に関する記事。

「経済ニュースは、連日EV(電気自動車)の記事ばかりだな」

   そこで、疑問が浮かびました。EVって増えれば増えるほど、もっと電気が必要になりませんか。

   それなのに、節電でついエアコンをガマンして熱中症になってしまう人がいるとしたら、矛盾している気がします。

   環境への優しさから、排ガスを出さないEVにシフトするのはわかりますが、人への優しさから、ためらうことなくエアコンが使えるよう充分な電力を確保することも大切なはず。

   さらに気になるのは、いま世界中の自動車メーカーがEVの販売を競い合っていることです。

   まさか、環境に優しいと言いつつ、ホンネは儲けることに夢中で闇雲にEVを増やし、人への優しさなど眼中にない、なんてことはないですよね?(川上敬太郎)

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
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