「残業を減らせ!」と言っている人が実は、残業を増やしてたりしてませんか?【vol.27】(川上敬太郎)

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   家で洗い物をしていると、時々ウンザリすることがあります。たとえば夕飯を食べた後、たくさんの食器をようやく洗い終えて一息つこうかなぁ、と思ったタイミングで、

「あっ、これ忘れてた。洗っといて」

   とリュックの中からおもむろに出される水筒。気軽な感じで出されると、「自分で洗わんかい!」と思わずシャウトしたくなる衝動にかられます。

  • 「さっさと帰りなさい」と言う上司に限って、急な仕事を振ってくるのはなぜ?(写真はイメージ)
    「さっさと帰りなさい」と言う上司に限って、急な仕事を振ってくるのはなぜ?(写真はイメージ)
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「ズルズルと時間が後ろに伸びてしまう!」という経験、会社勤めの人にはあるはず?!

   それでもなんとか心を落ち着けて洗い終え、今度こそ一息つこうかなと思いながらテーブルに目をやると、いつの間にか誰かがコーヒーを飲んだらしきコップがポツンと残っているのを発見し、また洗わなければならないなんてことも。

   ほかにも、拭いたはずのテーブルが目を離した隙に汚れていて、拭き直すことになったり、夕飯を外ですませてくると言っていた大学生の長男が、「予定がかわった」と腹を空かせて帰ってきたりと、洗い物以外の家事でも予想外のことが毎日のように起こります。

   それらに都度対応していると、あっという間に時間が過ぎてしまい、気がつくと深夜になっていてビックリするなんてこともあったりします。

   そういえば会社勤めしていたころも、そんな感じでズルズルと時間が後ろに伸びてしまう経験をたくさんしてきました。

   お客様と電話で交渉していたら時間が経ってしまい会議に遅れたり、提案書の作成に没頭して、いつの間にか終電ギリギリになってしまったり。それでも、夜中の10時や11時は当たり前で仕事していたころは、たいして気にも留めていませんでした。

   それどころか、仕事で会議に遅れたり、遅い時間まで残業している自分って、頑張ってるなあ、なんてちょっと悦に入るような気持ちになっていたかもしれません。逆に、業務を切り上げてサッサと帰ってしまう同僚たちをみると、仕事に対して真剣みがたりないんじゃないか、といぶかしくさえ思った時期もありました。

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
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