管理職になると仕事がハードに、そこに家事育児も加わって...両立なんて無理ゲーでは。
しかしながら、内閣府の男女共同参画白書によると、2021年の女性管理職比率は、課長級で12.4%に留まります。となると、管理職になりづらい女性特有の何らかの理由がありそうです。
よく指摘されるのが、機会の不平等です。男性は最初から管理職候補として育てられ、負荷はかかるものの成長機会にもなる仕事が与えられやすかったり、臨時のプロジェクトなどが発生した時も、リーダー的なポジションを任されやすかったりします。
得てしてその背景には、「女性は結婚・出産を機に戦力として見なせなくなる」という決めつけがあります。
また、女性は管理職に向かないという指摘も耳にします。しかし、政治家や起業家など、リーダーとして活躍している女性の事例は、枚挙に暇がありません。個人的に向き不向きはあるでしょうが、女性であることが管理職に向かない理由にはならないことを、数多の女性リーダーたちが実績で証明しています。
逆に、管理職に向かない男性の事例も枚挙に暇がありませんし...。
そして、さらによく耳にする理由がもう一つ。女性は管理職になりたがらない、という指摘です。もちろん、管理職になりたいと思わない女性はたくさんいると思います。しかし、同じように、男性の中にも管理職になりたがらない人はたくさんいます。
ただ、管理職になりたがらない人は女性の方が多いとしたら、一つ思い当たる理由があります。それは、家事や育児の負担です。主夫になって1年経たないうちに2度も寝込んだからこそ、身につまされてそのしんどさがわかります。さらに、子どもが小さいころなら、なおさらです。
管理職になれば、仕事はさらにハードになるかもしれない。そこに、結婚や出産で家事育児も加わるなんて無理ゲーです。
しかし、男性にはそんな悩みがありません。管理職につながる道を同じように歩いていたとき、女性の行く手にだけ「家事育児と仕事との両立」という急な上り坂が見えているとしたら、当然ながら迂回する人が多くなります。
なかには、急な上り坂などものともせずガンガン登り切ってしまう女性もいますが、それはその女性がスゴイのであって、女性の行く手にだけ急な上り坂が見えていていい理由にはなりません。
「何を言ってるんだ! 家事育児をこなしながら見事に管理職を務めている女性がいるんだから、やってやれないことはない。ようは、やる気がないだけだ」
もし、そんなことを言う男性管理職がいるのなら、とても立派です! ぜひ、自ら家事育児を一手に引き受けてください。やってやれないことはないはずですし、ようはやる気の問題ですから。(川上敬太郎)