健康経営優良法人の認定を目指す企業経営者にヒントを――。そんな思いのもと、連載中の「健康経営のススメ!」。
これまでに認定を受けた企業や、積極的に健康経営を推進している企業の先進事例のほか、コロナ禍で社会的課題となった従業員のストレス対策として、産業医のアドバイスを有効活用する企業の事例など、できるだけ具体的なノウハウに焦点を当ててきた。
第15回は、1997年の開業以来長崎県大村市を拠点に、「塗装で未来を鮮やかに」をモットーに、『緑豊かで色鮮やかな街づくり』と『未来の子どもたちに引き継げる持続可能な社会』の実現に貢献することを企業理念に掲げ、お客様第一で、ひと塗りひと塗り心を込めて塗装するプロ集団を目指す株式会社サカモト美装。
従業員は10人。経済産業省の健康経営優良法人2022、2023連続認定されている。代表取締役社長の坂本剛志(さかもと・たけし)さんに話を聞いた。
「社員の成長は会社の成長、会社の成長は社員の成長」
――健康経営を導入されたきっかけをお教えください。
坂本社長 「自分自身の姉が健康診断で病気が発覚し、従業員が健康診断で指摘を受け入院となりそのまま亡くなってしまうという出来事が続き、この経験から会社全体で健康診断の受診勧奨を行うことの大切さを身に染みて感じるようになりました。会社理念の中に、『社員の成長は会社の成長、会社の成長は社員の成長』という言葉があり、社員を思う気持ちが、必然的に健康経営の導入につながりました」
――健康診断を受診しやすくする工夫をされているそうですね。
坂本社長「健康診断バスやコミュニティセンターでの受診を手配し、スムーズに受診できるようにしています。また、当社社員だけではなく、協力業者の方にも声を掛けて、受診できるようにして、健診受診の啓発に力を入れています。二次検診が必要な社員に対しては、検診費用を会社が負担しています」
――取り組みによる効果、従業員のみなさんからの反響はいかがですか。
坂本社長「健康診断の結果が届くと、自然と社員間で結果を見せ合うようになってきました。自分たちの結果がどうだったのかを笑いを交えながら話している様子を見ると、健康に対する意識が上がってきていることを実感しています」