健康経営優良法人の認定を目指す企業経営者にヒントを――。そんな思いのもと、連載中の「健康経営のススメ!」。
これまでに認定を受けた企業や、積極的に健康経営を推進している企業の先進事例のほか、コロナ禍で社会的課題となった従業員のストレス対策として、産業医のアドバイスを有効活用する企業の事例など、できるだけ具体的なノウハウに焦点を当ててきた。
第13回は、1993年の創業以来、京都府亀岡市を拠点に「電子部品の検査・組立」などの技術で信頼の実績を積み重ねてきた株式会社藤大(ふじはる)。「ハイクオリティ」で「付加価値の高い」サービスと「確実な納期」で、信頼と満足を追求し続けている。それを持続可能なものとする経営理念は、「全従業員の物心両面の『幸福』を追求」すること。
従業員は82人。経済産業省の健康経営優良法人2022に認定されている。代表取締役社長の藤田大子(ふじた・はるこ)さんに話を聞いた。
従業員の誕生日プレゼントに...感謝の気持ち記したメッセージカードと花を贈る
――健康経営を導入されたきっかけをお教えください。
藤田大子社長「『人をすべてと考え、人を大切に』の経営理念に則り、お客様と従業員は、大切かつ守るべき『人財』そのものです。
健康経営は、知人経営者からの強いお勧めとアクサ生命の健康経営アドバイザーをご紹介いただいたことで、導入することとなりました。
健康経営は、従来からの思いであり、かつ取り組んできたことであり、経営理念を実現するためのひとつの手段であることを理解しました。
その直後には、従業員の急逝に直面し、仲間の大切さと健康の大切さをあらためて痛感しました」
――たとえば、どのように取り組んでいらっしゃいますか。
藤田社長「大切な従業員を守るためには、予防だけではなく、事後の対策も必要と痛感しています。もしもの病気や事故の時に、よりよい治療が受けられ、経済的にも安心して治療に専念でき、会社を辞めることなく職場復帰を目指してもらえるようにと、生命保険を使った福利厚生を設けました。経営理念実現のための取り組みである健康経営の思いを理解していただくために、従業員の家族のみなさまへ手紙を出しました。
また、従業員の誕生日プレゼントには、感謝の気持ちを記したメッセージカードと花を贈ることを続けています。本人の意向で、送り先はご家族であったりします」