子育てしていると、巷の商品やサービスの存在のありがたさにあらためて気づき、助けられることがよくあります。
たとえば、ファミリーレストラン。学生時代に夜遅くまで友人と話し込んだり、社会に出てからは打ち合わせやランチなどで使わせてもらってきましたが、子どもがいると、あらためてその素晴らしさが身に沁みます。
何物にも代えがたい子どもたちの笑顔引き出してくれる、あの場所!
ハイキングとか博物館とか、子どもを連れてちょっと遠出した帰りなど、親も疲れてしまい食事の支度なんてやりたくないなー、なんて思うものです。
そんな時、ファミリーレストランを見つけると、「今日は外食だ!」と親も子どももウキウキしたりします。お金は出ていきますが、居酒屋でお酒を飲むのに比べたら、ずっと安上がりです。もちろん、子どもたちは大喜び。
子ども服の専門店なども大助かりです。なにせ子どもたちは、あっという間に成長します。去年買った服なのにもう小さくて着れない...なんてことはよくあります。しかし、専門店なら、デザイン豊富でお値段も手ごろ。子どもの服を選んでいると、それはそれで親も楽しかったりします。
なかにはせっかく買ったものの、ほとんど着ないうちに小さくなってしまった服があったりもしますが、そんな時にあると便利なのは古着屋さん。売ることもできますし、逆に新品同様のかわいらしい服を割安で買うこともできます。
ほかにも、ショッピングモールに設置されているゲームコーナーや食品売り場にあるピカチュウのショッピングカート、スマホ売り場で見かけるペッパーくんなんかも、ありがたい存在です。
そんな子どもたちがたまに実家の祖父母のところに帰省した時などに、ちょっと高級なものを食べさせてもらったりすることがあります。すると、覚えた味が忘れられなくなり、自宅に帰ってきた後もおねだりするようになると...ちょっと厄介です。
「また、じいちゃん、ばあちゃんたちの家に行ったら食べさせてもらおうなー」
なんて言うものの、ガッカリする子どもたちの顔を見るのも忍びなかったりします。そんな典型例のひとつがお寿司ですが、お寿司ならば強い味方がいるではありませんか。そう、回転ずしです。
しょっちゅうはムリでも、たまにであれば奮発して、お腹いっぱい食べさせてあげることもできなくはありません。
「何回か飲みに行くのをガマンしたら、子どもたちを回転ずしに連れて行ってあげられるぞ」
そんな思いを抱かせて親を頑張らせてしまうほど、子どもたちの笑顔には何物にも代えがたい魅力があるものです。
たくさんの人を楽しませていることを忘れてはいけません
しかし、どの親も考えることは同じようで、回転ずし屋さんはいつも超満員。子どもたちはお腹がすいてるし、長時間待つくらいならと、他のお店をめぐってみてもどこも混んでたりします。それでも少ない待ち時間で入れるお店を見つけた時の安堵感たるや。
ところが、そんな回転ずし屋さんの社長が逮捕されてしまったなんてニュースが世の中を駆け巡ったではないですか。ライバル会社の機密情報を持ち出したということで、これはかなり悪質な感じです。
そうなると、そのお店に子どもたちを連れていき、楽しく食べられるかというと...なんとも残念な気持ちになります。行けばあんなに喜ぶのになぁ。
回転ずし屋さんの営業努力は凄まじいものがありますが、その分、競争が熾烈にもなっているようです。別の回転ずし屋さんでも、パワハラなど不穏なニュースがチラホラと耳に入ってきます。
競争が厳しいほど、各社は生き残りに必死です。自分も長く会社勤めしてきただけに、その気持ちは痛いほどわかります。不正を働いてしまうのも、会社のために...という思いが高じて、道を誤ったのかもしれません。
しかし、その結果、大きな不祥事を起こしてしまい競争にも敗れてしまうとなると、虚しさだけが残ってしまうことになります。
そして、さらに悲しい出来事があることを忘れてはいけません。
その事業がたくさんの人を楽しませていればいるほど、利用できなくなってしまうことで、たくさんの人を失望させることになるのです。
ライバル会社の機密情報を持ち出す前に、回転ずしを食べて喜ぶ子どもたちの笑顔が少しでも頭に浮かんでいたならば...不正に染まりそうな手をすんでのところで引っ込めることができたかもしれません。
(川上敬太郎)