たくさんの人を楽しませていることを忘れてはいけません
しかし、どの親も考えることは同じようで、回転ずし屋さんはいつも超満員。子どもたちはお腹がすいてるし、長時間待つくらいならと、他のお店をめぐってみてもどこも混んでたりします。それでも少ない待ち時間で入れるお店を見つけた時の安堵感たるや。
ところが、そんな回転ずし屋さんの社長が逮捕されてしまったなんてニュースが世の中を駆け巡ったではないですか。ライバル会社の機密情報を持ち出したということで、これはかなり悪質な感じです。
そうなると、そのお店に子どもたちを連れていき、楽しく食べられるかというと...なんとも残念な気持ちになります。行けばあんなに喜ぶのになぁ。
回転ずし屋さんの営業努力は凄まじいものがありますが、その分、競争が熾烈にもなっているようです。別の回転ずし屋さんでも、パワハラなど不穏なニュースがチラホラと耳に入ってきます。
競争が厳しいほど、各社は生き残りに必死です。自分も長く会社勤めしてきただけに、その気持ちは痛いほどわかります。不正を働いてしまうのも、会社のために...という思いが高じて、道を誤ったのかもしれません。
しかし、その結果、大きな不祥事を起こしてしまい競争にも敗れてしまうとなると、虚しさだけが残ってしまうことになります。
そして、さらに悲しい出来事があることを忘れてはいけません。
その事業がたくさんの人を楽しませていればいるほど、利用できなくなってしまうことで、たくさんの人を失望させることになるのです。
ライバル会社の機密情報を持ち出す前に、回転ずしを食べて喜ぶ子どもたちの笑顔が少しでも頭に浮かんでいたならば...不正に染まりそうな手をすんでのところで引っ込めることができたかもしれません。
(川上敬太郎)