仕事終わりについつい飲み過ぎてしまうと、翌日の出社はかったるいものです。目覚まし時計を無視して寝続けた挙句、遅刻ギリギリで目覚めた時に思うこと。
「こんな時、『どこでもドア』があればなぁ...」
しかし、そこに優しく微笑むドラえもんの姿はありません。もし「どこでもドア」があれば、ササっと着替えて身だしなみさえ整えればOK。ドアを開けて、「おはようございます!」とあいさつすると、そこはオフィスです。
そう、あのシステムを使えば生産性は爆上がり!
そんな夢の世界を妄想しながら、「早く『どこでもドア』発明されないかな。22世紀はまだ先だな」と、これまで私を含む数多のビジネスパーソンたちが何度グチをこぼしてきたことか。
ところがです。いつの間にかできていたではないですか、「どこでもドア」。
朝ギリギリまで寝てササっと着替え、身だしなみを整えたらパソコンを立ち上げてネットにつなぎ、「おはようございます!」とあいさつすると、そこに同僚たちの姿が映し出されています。
そう、Zoomなどのシステムを使ったWeb会議です。
通勤時間はゼロ。朝起きてから勤務開始するまでのプロセスは、「どこでもドア」があればと妄想していた時と全く同じです。
ところがこの「どこでもドア」、誰でも使えるわけではありません。日本生産性本部の調査によると、2022年4月のテレワーク実施率は2割にとどまるとか。
「どこでもドア」を使えば、出勤時だけでなく、お客様先への瞬間移動も可能になります。たとえば、客先に訪問してから社内会議に参加する場合、14:00~17:00のスケジュールはこんな風に変わります。
<直接訪問の場合>
14:00~15:00 A社様にて商談
(15:00~16:00 帰社のため移動)
16:00~17:00 社内会議
<どこでもドア(Web会議)利用の場合>
14:00~14:55 A社様にて商談
(14:55~15:00 接続切り替え)
15:00~15:55 B社様にて商談
(15:55~16:00 接続切り替え)
16:00~17:00 社内会議
移動時間のちょっとした寄り道を楽しめないのは残念ですが、その時間を別の商談に当てれば、生産性は爆上がりです。
もちろん、コンビニ店員や介護職などエッセンシャルワーカーと呼ばれる方々の場合、Web会議で仕事はできません。
でも、コロナ禍で緊急事態宣言が出てたころ、政府はテレワークを推奨して出勤者数を7割減らすよう要請していました。そう考えると、テレワーク実施率2割って少なすぎやしませんか。
せっかくの「どこでもドア」も、使わなければ宝の持ち腐れ。もったいない限りです。