社員みんなの「物心両面」の幸せを追求...「全員参加の経営」を目指す社長の信念(濵田酒造株式会社 濵田雄一郎社長)

健康経営は「敬天愛人」の実践に通じる

――「海童ウォーキング」はとりわけ力を入れた活動ですね。

濵田社長「そうですね。関連する話として、コロナ禍での開催となった『海童ウォーキング』は2021年から感染対策として、一同が集まる方法を見直しました。約2か月の期間に、各個人が好きな時間に好きな場所を目標距離に合わせて、ウォーキングする方法に変更したのです。その結果、昨年(2021年)は、312人の参加者が約1万9000km歩行し、約19万円の寄付につながりました。
今年(2022年)は100km・200kmコースも新設し、『人とecoに貢献する一歩』としてテーマを設け、東日本大震災復興支援の取組みから国内災害に加え、新型コロナ対策への支援や環境保全など、幅広い社会貢献につながる活動に発展させました。
今後もこの取り組みを継続しながら、日常的な運動不足解消・健康増進の意識向上や参加者の増加を目指します」

――最後に、濵田社長の信条・座右の銘を教えてください。

濵田社長「私の信条・座右の銘は『敬天愛人』です。『敬天愛人』は西郷隆盛南洲翁の座右の銘として知られていますが、弊社では先代社長で四代目の濵田光彦が1951(昭和26)年に社是として掲げ、以降、弊社は事業活動に邁進してきました。
私は、1991年に京セラ創業者の稲盛和夫氏と出会い、『敬天愛人』を『全従業員の物心両面の幸せを追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する』という経営哲学の実践で、世界的企業として成長発展されていることに非常に感銘を受けました」
「濵田フィロソフィ」手帳と「濵田ものづくり心得手帳」
「濵田フィロソフィ」手帳と「濵田ものづくり心得手帳」
濵田社長「それ以来、弊社も『社是』を、『理念』『方針』『目標』『計画』と『濵田フィロソフィ』として落とし込み、『全員参加の経営』の実践に取り組んでいます。
具体的に『方針』では『元気・勇気・やる気(三気)で幸せにする、幸せになる』を掲げています。『元気』とは前向きな姿勢、『勇気』とは真実を見つめる力、やる気とは『実行力・継続力』を指します。ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために力を発揮させるには、心身の健康は欠かせません。健康経営の取り組みは、『敬天愛人』の実践にほかならないと考えています。
これからも『本格焼酎を真の國酒へ、更には世界に冠たる酒へ』という計画の実現に向け、全従業員と共に事業に取り組んでいきたいと思います」

――ありがとうございました。

【会社概要】
濵田酒造株式会社
代表取締役社長 濵田雄一郎さん

 私ども濵田酒造グループは、明治元年にいちき串木野市に蔵を構え、この地とともに歩んでまいりました。現在は伝兵衛蔵・傳藏院蔵・金山蔵という3つの蔵を有し、各々の蔵が『伝統』『革新』『継承』という弊社の核となる焼酎づくりの理念を体現しています。
 いちき串木野市は、海・山・歴史・文化とどこを切り取っても語るべきものが存在するすばらしいところです。その中には、明治維新を支えた串木野金山や薩摩藩士たちが英国留学に旅立った羽島など、薩摩の歴史を語る上での要所もあります。おいしい焼酎をお客様に届けるとともに、そうした地域の歴史・文化を継承していくこともまた、この地に育まれた弊社の使命だと考えております。金山蔵において鹿児島の歴史や文化などを学べる『薩摩金山私学校』を開催しているのも、そうした思いからです。
 また、私たちには『本格焼酎を真の國酒へ、更には世界に冠たる酒へ』という長年の夢があります。本格焼酎には500年もの長い歴史があり、それは鹿児島のみならず『日本』を背負うにふさわしい文化性と大衆性を兼ね備えています。ウイスキーのように世界中で本格焼酎を酌み交わすのが当たり前になってほしい――それが焼酎屋としての私たちの願いです。それを実現するためにも、弊社は伝統の味を守る一方で、おいしい焼酎を追究し続けています。3つの蔵は特性が異なるので、さまざまな方向から焼酎の奥深さを表現することができるのです。一方で、企業という枠を越えて様々な組織や人々とも繋がり、手を取り合って夢の実現に向けて動き出しています。
 いちき串木野市から全国へ、そして世界中へ。かつて羽島から大海原に漕ぎ出した勇気ある薩摩藩士たちのように、弊社はこれからも地元への感謝の気持ちと創業時から受け継いできた濵田スピリットを胸に、挑戦し続けます。

・本社所在地   鹿児島県いちき串木野市
・主な事業内容  酒類醸造・販売
・従業員数    316人
・健康経営優良法人 2022(中小規模法人部門) 認定
   https://www.hamadasyuzou.co.jp/

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