会議で女性に「わきまえる」ことを求めてしまうお歴々の男性に、ぜひオススメしたい! それは......【vol.8】(川上敬太郎)

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主婦のみなさんは主夫に「わきまえろ」とは言わない!

「そういや、閣僚会議で政治家が居並ぶ姿や、経営者が集うパーティーも男性ばかりだな」

   そんなことを思っていた時、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の当時の男性会長が、女性が多い会議は時間がかかると述べたニュースがふと頭をよぎりました。「私どもの委員会の女性は、わきまえておられる」という発言も物議を醸しました。

「こわもて男性だらけの会議に出席するだけでも緊張するだろうに、『わきまえておられる』なんて言われたら、女性はさぞかし発言しづらいはず......」

   それに対し、行きつけのスーパーで買い物をしている主婦のみなさんは、私を煙たがる様子などありません。店員さんたちは、私に何かを「わきまえる」よう求めることもなく、「いらっしゃいませっ」と毎日笑顔で迎え入れてくれます。

   それどころか、ある日レジで会計を終えると、店員さんから声をかけられました。

「『いつも』ありがとうございます」

   えっ、「いつも」来てるの知ってました? まあ、確かに目立ちますよね、私。こっぱずかしいけど、うれしいです。女性だらけの空間に、当初あれだけ感じていた心細さなどどこへやら。一気に吹き飛んでいってしまいました。

   もちろん、店員さんは私が男性だから声をかけたわけではなく、何度も来店しているお客にはそう言ってるのでしょう。つまり、他のお客さんと同じように、私に対しても声をかけてくれたわけです。自分の存在を受け入れてもらっている感じがしました。

   それに対し、会議で「わきまえる」ことを女性に求めてしまうお歴々の男性たるや......。しばらくのあいだ、平日昼間のスーパーで買い物してみてはいかがでしょう? 自分だけが異質な存在である空間が、如何に心細いものか肌でわかると思いますよ。

   女性たちは会議室の中で、その何倍ものプレッシャーを感じてきたはずです。そして、改めて考えてみてください。果たして、本当に「わきまえる」べきは誰なのかを。(川上敬太郎)

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
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