福井県民生活協同組合は、全国初で女性活躍に関わる2つの認定を受けている。2017年、厚生労働大臣の認定を受けた子育てサポート企業として、より高い水準の取り組みを行ったことが評価された「プラチナくるみん」、2020年には女性活躍推進の取り組み状況が特に優良な企業・団体に与えられる「プラチナえるぼし」だ。最近では「さばえ38(サンパチ)組」という地域の女性活躍推進活動にも参加している。
福井県民生活協同組合の取り組みを、管理部人財教育・採用グループ課長の小林文(こばやし・ふみ)さんに聞いた。
創業時から掲げる「働く女性の応援団」
――女性活躍の取り組みは、どのようなにスタートしたのですか。
小林文さん「当生協は創立当初より『働く女性の応援団』を掲げています。組合員がほぼ女性ということ、福井県は共働き率が高いという2点から女性が働きやすい職場をつくっていくことが地域貢献にもつながると考え、女性が働き続けられる職場づくりに取り組んできました。その結果、2007年に『くるみん』マークを取得して、さらに女性活躍のために家庭と仕事の両立支援の取り組みが加速しました。
両立支援制度では、育児休業制度が代表的ですが、出産した女性の100%が取得しています。出産や育児を理由に退職した女性はいません。当生協では、子育て中だけでなく、介護中で1日2時間の短縮勤務を希望する場合に利用できる『短時間制度』があり、育児時短制度については中学校就学前まで取得可能です。
両立支援では女性の利用が定着してきましたので、男性も育児に参画できるように制度を設けました。『配偶者出産休暇制度』は、配偶者が出産予定前後に5日間連続して休みを取ることができます。2008年には『ベビー休暇制度』を導入しました。子供が1歳になるまでに最大7日間取得することができます。こちらを取得時は当生協から1万円支給しています。家族サービスをしてくださいという意味もあり、取りやすいようです。奥さんが仕事復帰する時期、お子さんが保育園に通う時期など家族のタイミングで利用されています」
――仕事と子育ての両立支援では、悩み相談などの活動があると聞いています。どのような取り組みなのでしょうか。
小林さん「当生協は、宅配、店舗、高齢者介護、子育て支援などの、6つの事業があります。そこでそれぞれの場所では人員配置も少なく、女性職員同士が悩みを話す機会も限られていることから出産、育児から復帰の際や今後の自分の働き方などを、話せる機会を設けています。
『くるみんの会』は、育児休業中の職員、出産休暇中の職員、復帰した職員も参加する会で年2回開催しています。組織の活動方針年度方針を伝えるとともに、参加者の交流の場になっており、経験者が参加していることで育児の悩み、保育園、働き方などの不安や悩みの解消に非常に役に立っていると思います。
『ポジティの会』は、両立支援がもうすぐ終わるという職員に対して、今後の働き方を考えてもらいます。年2回実施していて、自分のこれまでのキャリア形成からどこを伸ばしていきたいか考える場となっています。子育てをしていると立ち止まって考えることが難しいので、同じ立場どうしお互い理解しあえ、自分のことを考える機会になったと、前向きな感想があります」