何度、評価制度を刷新してもアピール上手ばかりが評価されてしまうワケ?【vol.4】(川上敬太郎)

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上司の「鶴のひと声」で結局は鉛筆ナメナメの評価に......

上司の「鶴のひと声」で結局は鉛筆ナメナメの評価に......
上司の「鶴のひと声」で結局は鉛筆ナメナメの評価に......

   納得いかない私を黙殺したまま、ヘンな緊張感の中で淀んでいく空気。そんな空気も新制度のルールも意に介さず、上司の「印象」を軸に次々と決まっていく社員たちの評価。会議が終わると、ホワイトボードの一番上のランクには上司へのアピールがうまいだけの『印象番長』と思しき名前ばかりがやたらと目につきました。なんじゃこりゃ?

「評価制度を刷新する度に、決定権を持つ上司が『印象』で調整して、結局は鉛筆ナメナメに戻る、なんてことを繰り返してきた会社、たくさんありそうだなぁ」

   苦い記憶を思い起こしながらブツブツ言っていると、中学校に通う次男坊が帰ってきました。

:「なあ、テストの点数を無視してさ、先生が『印象』だけで成績を決めてたらどう思う?」
次男:「そりゃ、困るね」
:「だよな。せっかく勉強頑張っても『印象』だけで決められちゃ、納得いかないもんな」
次男:「まあ、それもあるけどね」
:「他に何が困るの?」
次男:「先生が『印象』だけで決めた成績だとさ、自分の実力がわからないよね」

   そのへんのわからずや上司よりも、中学生のほうがよっぽど問題の本質を見抜いているじゃありませんか。世の上司のみなさま、淀んだ空気ばかり吸ってると、子どものころに備わっていたはずのピュアな感性が失われていくみたいですよ。(川上敬太郎)

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
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