2021年3月に「健康経営優良法人2021」が発表された。
全国で大規模法人部門1801法人、中小規模法人部門7934法人が認定を受けたという。そこで、2021年度の健康経営優良法人認定を目指す企業経営者に向け、秋の認定申請の締め切りまでの6か月間にわたる「健康経営のススメ!」を連載。これまでに認定を受けた企業や積極的に健康経営を推進している企業の先進事例15社を紹介し、コロナ禍で社会的課題となっている従業員のストレス対策など、産業医のアドバイスを有効に活用している企業の事例など、できるだけ具体的なノウハウに焦点を当てる。
第4回は、京都府京田辺市でスーパーマーケット(生鮮・加工食品を販売)を営む株式会社サンフレッシュ。従業員は265人。経済産業省の「健康経営優良法人」の 2019、2020、2021に 3年連続認定され、2021年には「ブライト500」にも選定された。
「従業員の体調管理には特に気をつけています」と話す、代表取締役社長の辰見孝則(たつみ・たかのり)さんに聞いた。
毎日の「健康通勤」のため自転車を支給
――「健康経営」の課題は、どこにあるのでしょうか。
辰見孝則社長「京都南部に展開する食品スーパーとして1967年創業以来、『衣食住』の真ん中にある【食】を通じて、地域のみなさまに、より安心安全で豊かな生活のお役に立てるよう努めてきました。お客さまに気持ちよく買い物をしていただけるよう、従業員教育に力を注いでまいりましたが、そこに従業員の健康が重要な要素となることに気づき、健康経営を取り入れました。
お陰様で2019年から3年連続で健康経営優良法人の認定を取得でき、さらに今年は『ブライト500』※1に選定いただきました」
――健康経営に取り組まれたきっかけを教えてください。
辰見社長「アクサ生命の『健康習慣アンケート』を受けたことがきっかけです。その結果から、『飲み物』と『運動』が社員の健康課題であることを特定し、その取り組みを進めています。
毎月提供する健康情報を通して『飲み物』と『運動』への意識付けを高めるようにし、会社の支援策も設けました。自社の社業を生かしてのトクホ飲料の社員割引は、毎日飲むものなので社員からは好評を得ています。
運動不足に対しては、徒歩や自転車での通勤を奨励しています。自転車通勤を希望する者には、自転車を支給する施策を設けています」