盛り上がらなかった都議選 共産党が入る「野党連携」に東京都民が冷ややかなワケ(城繁幸)

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共産党の架空のターゲットは大企業

   (2)各種トンデモ論で大企業を攻撃するから
金持ちからお金を取りあげて分配しようというのなら、本来は国内金融資産の7割を持つ高齢者がそのターゲットとなるはずだ。だが、共産党も高齢者におもねるという点では自公と変わりない。

   そこで彼らが生み出した架空のターゲットが「大企業」だ。曰く「大企業は内部留保という名の『現金』をため込んでいるので課税しろ」「大手輸出企業は『輸出戻し税』という名の補助金を何千億も受け取っている」などの、めまいがするような頭の悪いデマをバラマキ、貧乏人をけしかけ続けている。

※ 多くの識者が説明済みなので繰り返さないが、詳細を知りたいという人は「内部留保」「輸出戻し税」「デマ」で検索することをオススメする。

   だが、冷静に考えればわかることだが、大企業で働く正社員というのは、自分の人生を会社に投資して生きる人たちだ。大企業にいちゃもんをつけて金をたかろうとしたり、ぶっ潰そうと呼びかけたりしている人たちは、はっきりいって敵である。

   だからこそ、そうした組合員のために、日本労働組合総連合会(連合)は「絶対に共産党とだけは手を組むな」と警告しているわけで、これは連合が100%正しい。

   ちなみに、今回の都議選では同じ左派で消費税引き下げが公約の「れいわ」が候補者全滅という結果に終わっている。高齢者と農家しかいない地方ならともかく、サラリーマンの多い都市部の無党派層に対して「消費税をゼロにします」といってもまったく相手にされなかったというのがその理由だろう。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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