盛り上がらなかった都議選 共産党が入る「野党連携」に東京都民が冷ややかなワケ(城繁幸)

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   先日、コロナ禍の真っ只中、2021年都議選が行われた。衆院選の前哨戦という位置づけもあり、各党とも力を入れたようだが、コロナの影響もあってか盛り上がりに欠け、投票率は過去2番目の低さに終わった。

   結果も都民ファーストが大きく議席を減らしはしたものの、当初予想よりは善戦し、自公も増えはしたが過半数には到達しないという何とも微妙な結果に見える。

   一方で、筆者には今回の選挙は「野党支持者と無党派層の微妙な温度差」がはっきり見えた興味深い選挙であったように思う。

  • 終わってみれば、勝者なき都議選(写真は、東京都庁)
    終わってみれば、勝者なき都議選(写真は、東京都庁)
  • 終わってみれば、勝者なき都議選(写真は、東京都庁)

無党派層からすれば「共産党以外ならなんでもいい」が本音

   どうもリベラル系の論者の中には、(その理由は筆者にはとんとわからないが)とにかく自民党を打倒するためにすべての野党は連携するべきであり、四の五の言わず民主党系野党は共産党と手を組むべし、という声が強い。

参考リンク:金子勝 on Twitter: 【労組の基本に返れ連合東京】日本を滅ぼす原発推進を強いたうえに、連合東京は立憲と共産の候補者調を必死に妨害。都議選で自らの間違いを露呈。駄目経営者と組み、雇用も賃金も失う民間大企業労組は組織率も集票力も低下。失敗経営者と対峙し、雇用を守る労組の基本に戻れ。

   ただ、申し訳ないが普通のビジネスパーソンなら「共産党とだけは組まないでくれ(というか別に自公打倒しなくてもいいし)」というのが本音だろう。

   彼らがそう考える理由は2点ある。

   (1)消費税を下げ、社会保険料を上げようとするから
消費税平均が20%前後の欧州を見ても明らかなように「高齢化が進めば、現役世代への負担集中を避けるため、所得税から消費税に軸足を移す」というのが世界的なトレンドだが、日本では逆に政治が高齢者におもねるあまり「消費税を据え置き社会保険料を大幅に引き上げる」という愚行を続けてきた。

   消費税は近年ようやく10%に上がったが、社会保険料はすでに30%近く、30%突破は時間の問題とみられている。

   高齢者の社会保障をカットするなら話は別だが、そういう話題には、ひと言も触れないまま「消費税を引き下げろ」としか言わない野党政治家を見て、はっきりいって筆者は嫌悪感しか抱かない。

   それは確実に今も上がり続ける社会保険料をさらに引き上げさせることを意味するからだ。きっと同じ思いのビジネスパーソンは多いのではないか。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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