会社に名字しか名乗らない人から電話がかかってきたら、所属する企業名やフルネームを確認しなければならないのは、なぜでしょうか?
それは、世の中に同姓の人がたくさんいるからです。
漫画の主人公でしか見たことがない「竈門(かまど)さん」のようにレアな名字の方であっても、日本中にたった一人ということは、まずないはずです。
あなたは「鈴木です。佐藤いる?」で電話を取り次ぎますか?
「もしもし、「田中です」 と、電話がかかってきたら、
「失礼ですが、どちらの田中様でいらっしゃいますか?」
「申し訳ございませんが、フルネームをお教えいただけますか?」
などと尋ねて、何万人もいる「田中さん」の中から絞り込みます。
その後のやり取りをスムーズに進めるためにも、どの「田中さん」なのかをハッキリさせておかなければなりません。
しかし、会社の中で電話対応していると、時にそんな目論見が全否定されてしまうような出来事に遭遇することがあります。たとえば、以下のようなケースです。
「鈴木です。佐藤いる?」
と、電話がかかってきたので、
「失礼ですが、どちらの鈴木様でいらっしゃいますか?」
と尋ねると、
「はあ?鈴木って言えばわかるよ。佐藤は?」
「かしこまりました。では、鈴木さま、フルネームをお教えいただけますか?」
「急いでるのに、何言ってんの!すぐ佐藤につないでよ!」
と、とりつく島もない横柄な態度......。
事務所にいる「佐藤さん」はたまたま所長だけだけど、世の中に「佐藤さん」は何万人もいるんですよ? フルネームも教えてくれないし、うちの所長を呼び捨てにするし、なんてケシカラン人だ、まったく! ......と半ばキレぎみに佐藤所長につないでみると、
「わ、バカ! フルネーム聞こうとしたの? それ、うちの鈴木専務だよ!」
まだ入社して日が浅いのに、専務の名前まで覚えてませんよ、などと言い訳することもできず、所長からお叱りを受けてしまうことに。名字しか名乗らない人から電話があったら、フルネームを聞けと指示したのは所長じゃないですか......。
そんなやりとりをした経験、ありませんか? 私は、あります。