お客様は、ホントに神様なのでしょうか?【vol.1】(川上敬太郎)

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   20年以上続けてきた会社員生活に区切りをつけて「主夫」となり、個人事業主として仕事も続ける兼業主夫の生活。家族6人分の洗濯や料理などを毎日繰り返していると、「しんどいな」とか「腰が痛いな」と思うことがしょっちゅうです。

   しかし、これまで20年以上もそれを妻がしてくれていたのだと思うと、弱音を吐こうという気持ちもなくなります(今のところ)。子どもが小さいころは、もっともっと大変だったはずです。こんなことでくじけていてはいけません。

  • 「お客様は神様です!」って、ホントなの?
    「お客様は神様です!」って、ホントなの?
  • 「お客様は神様です!」って、ホントなの?

「神様」は酷い仕打ちもする

   そんな根性なしの私が、兼業主夫になることで楽しみにしていたことがあります。

   それは、「お客様」になれること。主夫は、その家庭の消費者の代表でもあります。買い物に行けば、お客様として消費する立場。これまでは仕事に明け暮れ、生産者としての立場が軸だっただけにとても新鮮な感覚です。

   兼業主夫になって、新聞の読み方も変わりました。真っ先に1面トップに目をやっていたのが、今はまず折り込みチラシ。

「おっと、今日はなじみのスーパーでお肉の特売日ではないか」

   そんな情報を一通りチェックしてから、1面トップに目をやります。消費者として「何を買うか」という目線から情報収集し、生産者として「何を提供するか」という情報収集へ移る流れです。

   その立場の転換が新鮮であることも大きいのですが、それよりもっと大きな楽しみだったこと。それは、「神様」への昇格です。

「お客様は神様です!」

   社会に出てからというもの、一貫してそのように教えられてきました。主夫になるということは、ついに私にも「神様」になる日が訪れたということです。

   これまで「神様」からはたくさんの恩恵を受け、たくさん感謝してきました。

   一方で、時に「神様」から酷い仕打ちも受けてきました。今ではカスハラ(カスタマーハラスメント)という言葉がありますが、社会に出て「神様」との付き合いが始まったのは、そんな言葉が影も形もないころです。

   嫌がらせとしか思えない無理難題。侮辱的な言葉。夜中に唐突な呼び出し......。

   酷い仕打ちも、「神様」なのだからと飲み込むことができました(時々、できない時もありましたが)。そんな「神様」に、自分がなれる日がくるとは!

   さて、「神様」となったからには、何をしましょうか。

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
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