女性管理職増えて「自分にもできるかも」と思えた
――女性の管理職比率30%の目標に、ハードルはありませんでしたか。
金丸さん「フタを開けたら、30%になっていたという印象ではありますが、2016年10月にグループ内で先行してシミック株式会社でダイバーシティ推進担当を設置し、ダイバーシティに関するアンケートや講義をすることによって男性社員も女性社員も意識が変わってきたと思います。もともとシミックでは性差や年齢にとらわれない発想があったので、あえて言わなくても良いという意見もありましたが、『ダイバーシティ』という言葉を用いたことで意識することが促されて、理解がより深まり、結果として女性活躍を後押しするようになったのかもしれません」
――他にも、意識が変わるきっかけがあったのでしょうか。
金丸さん「女性管理職が増えてきたことが良い影響を与えていると思います。身近な女性管理職に接することで、他の女性社員が自分にもできるかもしれないと思えたり、時間短縮勤務やフレックスをうまく使えるようになって、自分でもリーダー職が務まると感じたのだと思います。
私の個人的な感想ですが、マネージャーのほうが自分の時間管理がしやすいので、リーダー職は大変というマイナスイメージだけではなく、プラスの面も伝わっていったこともあると思います」
――野田さんは、実際に時間短縮勤務制度を使われて、いかがでしたか。
野田早紀さん「私が時間短縮勤務を利用していた当時は、子供の対象年齢が小学校3年生まで延長されていませんでした。対象年齢を超えたところで制度が使えなくなり、家庭内で調整ができず困っていましたが、そこに『フレックスタイム』が導入されたので大変助かりました。フレックスタイムは、もちろん男性も使えます。上司も使っていますので、部下も取り入れやすい制度だと思います」
――フレックスタイムは、どんな調整ができるのですか。
野田さん「1か月に決められた労働時間の中で、自分の裁量で調整が可能です。集中して仕事をしたい時には長めに働き、比較的余裕のある仕事の時には早く切り上げるなどの調整ができます」
――時間短縮勤務を使う場合、選べるパターンはあるのですか。
野田さん「何時から何時まで勤務というパターンはありますが、突発的にその時間に出社できなくても、遅刻扱いにならないようにフレックスと組み合わせて使うことが可能です。時間短縮勤務は1日5時間から6時間半まで30分刻みで選べるようになっており、月単位で変更することができます。」
――在宅勤務についても教えてください。
金丸さん「在宅勤務は、一定の適用用件を満たせば、誰でも利用できます。制度を開始した当時は、在宅勤務の制度はできたものの、利用する社員も上司の側も抵抗を覚える人が多かったのも事実です。そこで比較的導入が容易そうな部門から積極的取り入れ、その事例を共有することで浸透させてきました。コロナ禍においてもインフラの部分で慣れていたことが多く、とてもスムーズにできました」