仮想オフィスが意外にいい! 着席が見えて、軽く声かけ...... 充実のテレワーク(高井信洋)

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「テレワークはいいんだけど、気軽に話しかけにくいのはイヤ」――。

   これにうなずく方は多いのではないでしょうか。私もその一人です。最近のデスクワーク中心の会社では、ビジネスチャットの利用が増えてきているものの、「声がかけにくい」問題は解決されてはいません。

   きっと気軽に雑談する感覚は「しょうがない」と我慢しないといけないだろう......。そう思っていたときに、遭遇したのが「仮想オフィス・バーチャルオフィス ツール」です。しかも、なかなか使い勝手が良いのです。ということで、今回は仮想オフィス、バーチャルオフィスのツールについて、お伝えします。

  • テレワークでも気軽な会話ができる!?(写真はイメージ)
    テレワークでも気軽な会話ができる!?(写真はイメージ)
  • テレワークでも気軽な会話ができる!?(写真はイメージ)

仮想オフィスでなにができるのか?

   さっそくですが、仮想オフィスでなにができるのでしょうか。

・写真やアバターで、空間にいることがわかる「着席が見える」
・チャット、ビデオチャット、音声チャット、内緒の話、会議室で会話ができる。
・資料が共有できる。

   仮想オフィスの利用機能そのものは、他で代替できるものが多いですが、声がかけやすいかどうか、ここに大きな違いがあると利用してみてはじめて気がつくことがあります。

◆ 「着席が見える」は意外と大事

   仮想オフィスには、自席や会議室があるタイプ、ノックしてから声をかけるなど、実際のオフィスを再現したツールから顔出しのツールまで、さまざまあります。共通しているのは、「今そこにいることが見える」ことです。

   使ってみてこれが意外と大事なことなんだと気が付かされました。リモートだからしょうがないといえばしょうがないですが、それが何度も繰り返されれば、誰だっていい気分はしないものです。

   チャットやSkypeでも、会社によっては「着席、離席をマークしましょう」という運用でカバーしている会社もあります。でも、運用を徹底しないと「あ、すみません、切り替えるの忘れていました。」となるわけです。

   ツールの中には一定時間ごとのパソコンカメラで着席状況を撮影し小さく公開するものもあります。これで取り忘れなくお互いの状況が見えるということになります。

   仮想オフィスでは、アバターにしろ、顔写真にしろ、誰と誰が今やりとりしているのか、話しているのか、着席しているのかを見ることができます。打合せをしていて、〇〇さんにも声をかけよう!ということもできます。

   いわば、「なりゆきのコミュニケーション」もできるのです。こうしたことの連続でその場にいることがラクになり、だから自然とその場に集まることになります。

毎日の挨拶、軽い声掛け、意外とこれも大事だった

   最近ではオンラインでの打合せが非常に多く活発になりました。打合せや会議、プレゼンテーションなどの「目的がはっきりした場」については、さまざまなノウハウが発信されています。

   ところが、リモート環境での「雑談」については、あまりリモートでのノウハウが発信されていません。理由は「場」がないとできなかったからです。

   誰にでも、友人や信頼する上司やチームメンバーと「特に目的もない」が、今思っていることを「なんとなく」話す中で、解決策や気づきを得ることは非常に多いのではないでしょうか。

   また、新人の頃を思い出してみても、朝早く言った事務所やトイレや喫煙所で会って何気ない会話から親しくなり、結果的に部署を超えた繋がりなるといったこともあるわけです。こうした「軽い声掛け」というのは、意外と大切なことのように思います。

◆ つぶやきやひとりごと。これも意外な効能あり

   オフィスに出勤して、ひとりごとをブツブツ話している同僚がいたら、「ヤバイ奴」と思われることは必至です。

   しかし、バーチャル上では意外な効能があります。バーチャル上で、毎回のように「(○○さんが)トイレ離席します!」といわれても困りますが、まったく何も会話もないとなると「見られていない、見ていない」となって、いずれ管理したい人がでてきます。

   また、部下からするとその逆で、「離席がさぼりだと思われたらイヤだ」「遊びに出たわけではない!」という誤解を避けたいという思いもあります。こんな時に使えるのが、「つぶやき」なのです。

   誰に伝えているわけではないけれど、「ちょっと子供が学校から帰ってきたので、離席します」などとつぶやいて離席すると、周囲もそれを理解して対応できるわけです。

◆ 「リモートワークだからしょうがないを無くす」

   東京都の小池百合子知事が「東京に来ないで」と発言したのが4月15日。再び緊急事態宣言となり、テレワークの推進がさらに期待されています。テレワークで、よく聞くのが「話しかけにくいからイヤ」、「やっぱり事務所がいい」という声があります。やっぱり事務所がいいという声の裏側にあるものとは、「リモートワーク、テレワークだからしょうがない」とのあきらめがあるからではないでしょうか。

   しかし今、テレワークスタイルに適応している一部の人は我慢ではなくて「納得のいく働き方」を見つけはじめています。やはり我慢して働くとなると、続けることができません。リモートワークでも顔が見える、表情が見える、世間話もできる......。でも、集中もできる。さらに、わが社のスタイルに合っていて使いやすい。そんなツールを見つけるだけでも働き方を変えられるかもしれません。仮想オフィスのツールもなかなか使い勝手いいですよ。(高井信洋)

高井 信洋(たかい・のぶひろ)
高井 信洋(たかい・のぶひろ)
クラウドパワーパートナーズ株式会社 代表取締役
2013年に創業。テレワーク・クラウドソーシング活用した事業開発コンサルティングとして事業を開始した。現在、在宅翻訳者3000人をネットワークし、IT・マーケティング業界向けの翻訳・メディア編集をサポートする「あなたの翻訳チーム」を提供している。
テレワーク・リモートワーク分野での執筆、講演、コンサルティングなどを行うほか、テレワーク経営のためのサービス・専門家を探す「テレワークソリューションバンク」を運営している。
テレワークソリューションバンク:https://www.telework-bank.com/
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