コロナ禍で痛感した「勢い」の大切さ
――なるほど。しかし、それでも手をこまねいている中小企業は少なくありません。
清永さん 「企業経営には、『勢い』が必要です。私自身、今回のコロナ禍でそのことを痛感しました。コロナ禍によって2020年3月から7月までの5か月間、大規模展示会が次々中止になりました。こうなると出展社は『仕方ないなぁ』とつぶやくしかありません。こうして社内に停滞ムードが漂い、『勢い』が失われていくのです。
そうならないためには、自社でコントロールできる範囲を増やすことです。『自前オンライン展示会』の開催は、まさに自社でコントロールできる範囲を広げていく取り組みです。
その名のとおり、オンライン展示会を自前で開催しますから、開催・中止を自社で判断することができます。そもそも、オンライン開催なので、コロナ禍などの非常事態であっても開催できます。さらに、『自前オンライン展示会』サイトのコンテンツの充実やオンラインセミナーの実施を通じて、これまで見込み客との接点づくりを代理店などに依存していた会社も、見込み客を自分たちの手で集客する力がつきます。
そして、自己集客した顧客をオンラインセミナーでの啓蒙やオンライン商談などによって、まさに自力で顧客を獲得していくことができるようになるのです。
しかも、「自前オンライン展示会」に取り組む過程で、無理なく社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進むという副次的効果もあります。『自前オンライン展示会』の開催を通じて、社内に『勢い』を取り戻してほしいと強く思います」
(聞き手 高井信洋)
プロフィール
清永 健一(きよなが・けんいち)
展示会営業コンサルタント
中小企業診断士
展示会の専門家としてNHKラジオ総合第一に出演。行政や公益法人、金融機関、各地の商工会議所ほか、多数の講演実績がある。著書は「中小企業のDX営業マニュアル~オンライン展示会をきっかけにしたスムーズな営業改革術~」「飛び込みなしで『新規顧客』がドンドン押し寄せる『展示会営業(R)』」ほか。