テレワークのコミュニケーションは「いつでも」「気軽に」
日々の業務において部下がわからないことがあったら、基本的には随時上司へ連絡してOKにすることがベストです。これは、出社と近しい状況にしてあげることで部下のストレスを軽減する意味合いがあります。
管理職自身のスケジュール上、随時連絡をもらうことが難しければ、1日の中で決まった時間に確認タイムを設ける方法も考えられます。
その際のポイントは「気軽に連絡していい」ルールにすることです。出社していれば口頭で「ちょっといいですか?」と話しかけられる内容でも、メールにすると「お疲れ様です。お聞きしたいことがあります」と堅苦しい表現に変えなければなりません。この言葉の変換をする負担をなくすために、メールではなくチャットツールなどで気軽に連絡できる手段があるとベターですね。
チャットは若手社員なら学生時代から使いこなしているので、管理職世代にとっては「仕事でこんなカジュアルに聞いてくるなんて......」と面食らってしまうかもしれませんが、礼儀を逸脱していない範囲であれば許してあげましょう。
その一方で、管理職から、ぜひポジティブな気持ちを部下へ積極的に発信してください。これはテレワーク中心の働き方において、よい組織風土をつくるポイントのひとつです。
みんなががんばってくれて助かる。目標達成できてうれしい。工夫してくれてありがたい、といったメッセージをメールやチャットで文字にして伝えるのです。
テレワークは、非言語情報が伝わりにくいデメリットがあります。非言語情報とは、表情や身振り手振りなど、コミュニケーションにおける言葉以外の部分を指します。
出社していれば直接顔を合わせて話をするので、非言語情報もコミュニケーションの一部分として自然に相手に伝わります。これがテレワークになると極端に伝わらなくなるので、そこを言語情報でカバーしたいところです。
言葉にしておくことで、部下が繰り返し見ることができるメリットもあります。テレワークでは、熱意をメッセージにして伝えることも、よい組織つくりのための重要なポイントです。
【まとめ】
働く環境が変わったにもかかわらず、毎日出社していた時と同じマネジメント方法のままでは組織運営に歪みが生じます。
出社とテレワークの環境の違いを踏まえ、テレワークだからこそ意識したいポイントをぜひ実行してみてください。(Miyo Takako)
プロフィール
Miyo Takako(みよ たかこ)
人材・キャリア系の記事を中心にライターとして活動。コラムやインタビュー記事を多数執筆している。経営者や大企業執行役員へのインタビュー経験も持つ。本業では人材業界で10年以上勤務し、企業の人材育成や組織開発の提案・アセスメントツールの企画、講師、学習コンテンツ開発に従事。テレワークソリューションバンク編集・ライター