女性のリーダーシップ、マネジメント経験が重要
――現在は、男女が共に学ぶ機会が増えていると聞いていますが、女性がリーダー的な役割を担当する機会は変わりましたか。
吉池さん「現在、一つの組織が大きくなっていることもあり、組織内に小さなチームを作って小さなマネジメント単位によるチームワーク、助け合いの風土改革を実現する『チーム制』を推進しています。チームリーダーに多くの女性が任命され、女性がマネジメント経験を積んで成長していく機会が増えています」
藤中さん「女性はマジメで、『やりますか』と訊くと、『今やっていることをやり遂げたいので、責任をもってやりきれないからお断りします』という人が多い傾向があるように感じています。上司が言葉どおりに受け取るのではなく、若いうちから小さいチームでも良いので思い切って任せて、リーダーシップの経験をさせることが重要だと思います。リーダー経験のある人は良いフォロワーにもなれるからです」
―――ダイバーシティ&インクルージョンの組織づくりが課題と聞きました。今後、どのように推進していきますか。
吉池さん「お互いを認め、受け入れ、新しい価値を見出せるインクルーシブな組織づくり、企業風土の構築に取り組んでいきたいです。制度や研修などは、長年の歴史の中で整備されてきていますので、一人ひとりがD&Iをあらゆる場面で意識し、行動につなげていくことが必要と考えています。男女問わず『損保ジャパン大学』などで学びを深め、多様な人々が強みを活かし、自分の活躍が会社の成長につながるという自信を持ってチャレンジしていける人が一人でも多くなるよう、取り組んでいきます」
(聞き手:水野矩美加)
プロフィール
藤中 麻里子(ふじなか・まりこ)
損害保険ジャパン株式会社 業務品質・コンプライアンス部
コンプライアンス室特命部長
1993年地域限定総合職で入社。地域初の女性営業担当者となる。2000年産前産後休暇・育児休業取得。営業復帰後、07年から3年間短時間勤務制度を利用。10年管理職昇進。2011年人材開発室ダイバーシティ推進グループ課長となり女性経営塾を企画。その後は現場と内部監査部担当部課長、埼玉中央支店さいたま支社長を経て、20年より現職。
吉池 玲子(よしいけ・れいこ)
人事部 ダイバーシティ推進グループ D&Iチームリーダー
1993年一般職で入社。営業事務、業革インストラクターを経て、2005年産前産後休暇・育児休業取得。06年短時間勤務制度を利用して営業店復帰。08年昇進試験にチャレンジし、短時間勤務者として初の業務リーダーとなる。11年半の企業営業店経験を経て、18年に人事部へ配属となり人材育成を担当。19年より現職。