これまでと変わった、「新しい生活様式」が求められる今。外出自粛などの制限も緩和され、ふだんの生活が戻ってくる一方で、これまでとは違う「当たり前」が求められるようになりました。
しかし、その新しい「当たり前」は全員同じではないのが現状のようです。
「え!? そんなことしちゃいけないのに......!」
「そんなに頑なにならないでよ!」
「まだまだ我慢するべきなのに......!」
「え!? 飲み会の誘いなんてありえないんですけど!」
なんていうふうに、相手との「当たり前」が合わずイライラ、モヤモヤ。つい感情に任せて言葉を発してしまい、なんだか気まずい雰囲気に......。なんてこともありますよね。
自分の持つルールを破られたとき、人は怒りの感情が生まれる
コロナ禍にあって、人それぞれの「ルール」が明確に分かれてしまうようになったため、対人関係でもストレスが溜まりやすくなっています。モヤモヤやストレスが心のコップに溜まっていくと、なんでもないふとした時に一気にあふれ出してしまうこともあります。
そうならないためにも、どんなふうに心をコントロールすればいいのでしょうか――。
まず理解しておきたい心の働きは、人はみな自分の決めた「ルール」にそって、行動しているということです。そして、その自分の持つルールを破られた時や破っている人を見た時、人は感情が揺れ、怒りを感じます。
その時の感情で、そのまま発言したり行動してしまうと、つい言いすぎてしまったりして関係にヒビが入って後悔につながることがあります。
自分の心が揺れ動いた時、まずは「今自分のルールが破られたのだな」と客観的に受け止めることが大切です。一度受け止め、客観的になることで感情のままに動くことを避けられます。
たとえば、飲み会に誘われたとしましょう。まだまだ大人数で飲むなんて...... と乗り気でない時に、そのまま「大人数で飲むなんてありえません!」などと伝えるのではなく、
「私は遠慮しておくね。」
「私はまだあまり飲み会の気分になれなくて......。」
と主語を「私は」にして思いを伝える「Iメッセージ」を使って、自分の気持ちを伝えましょう。
「私はこう思った」というように伝えられることで反発することなく素直に受け止めてもらえます。
反対に、「どうしてそんなことをするの!」といったように、「あなたは」を主語にして伝えるYouメッセージで伝えられると、相手は責められたり批判されたりしているように感じて反発してしまいますのでご注意を。
怒りやイライラを「Iメッセージ」で伝えてみる
「Iメッセージ」は、円滑なコミュニケーションを行う時に基本的な役割を果たします。
しかし、怒りを伝える時にはポイントがあり、そのまま「私はそう言われて腹が立ったの!」と伝えても、「伝える」効果は半減します。
怒りは二次感情。「怒りの下」には必ず、次のような感情が先にきます。
・悲しい
・さみしい
・傷ついた
・ガッカリした
・不安になった
・焦った
・心配した
まず、「怒りの下」にある感情を見つけて、その気持ち伝えることで、よりうまく相手にも伝わります。
みなさんも「私はそう言われて腹が立ったの」と言われるよりも、「私はそう言われたことで、大切にされていないように思えて悲しかったの」と言われたほうが、素直に話を聞けるのではないでしょうか。
また、「怒りの下」にある感情を見つけることで、自分自身の気持ちも落ち着きます。この「怒りの下」にある感情を、見てみぬふりをしていると、いつの間にか「心のコップ」がいっぱいになってしまうので、注意してくださいね。
自分の心の根本を知ることは、メンタルコントロールにおいて、とても大切なことです!
心をしなやかに鍛えて、心地よく新しい生活に馴染んでいきましょう!(くぼた茜)