やる気が起きない...... 行動を起こすには馬力がいる! 「やるっきゃない」ときの対処法を伝授(くぼた茜)

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   コロナ禍が続くなか、少しずつ社会の動きが変化してきました。以前とまったく同じとはいかずとも、数か月続いた生活とは違った環境になっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

   その変化に「やっと行動できる!」と前向きな気持ちになる方もいれば、自粛生活のスタイルに馴染んで落ち着いていた方は「やらなきゃいけないのか・・」と重たい気分になる方もいらっしゃると思います。

   ストップしていた行動を再開するときには、少なからず負荷がかかり「やらなきゃいけないのはわかってる。でもやる気が起きない......」なんてことも。エンジンをかける時には馬力が必要です。

   そんな時、やる気が起きるのを待っていては、なかなか前には進めません。今回はやる気が起きない時にどうするか? の対処法をお伝えします。

  • 「この仕事を終えれば、ごちそうが待っている!」で頑張れる!
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やる気が必要なのは「やりたくないこと」をやるとき

「モチベーションが上がらないんです」
「やる気が起きなくて......」

   そんなご相談は多く受けるのですが、まず何か行動を起こす時に「やる気を出そう!」と思わなければならないことは、そもそも「やりたいこと」ではありません。

   たとえば、趣味のスポーツをやる時や旅行に行く時、好きなテレビを見たり漫画を読む時にやる気を出そう! と思ったり、やる気が出たら行こう! と考えることはほとんどないと思います。やる気を出してゴロゴロするぞ~! とは、あまり思わないですよね。

   そのように、私たちは本当にやりたいことを行うときにわざわざ「やる気を出すぞ!」と思わなくても、自然と心がワクワクして、その行動に向かっているものです。

   つまり、やる気を出さないと始められない物事は、基本的には放っておいたら、なかなかやる気は出てきません。

   やる気が出たらやろう、と思っていると、他のやりたいこと(たとえば、本を読んだりゴロゴロしたりすること)に時間をとられて、どんどん後回しになって、気づけば記憶の片隅に......。まずは、そこを理解して認めていくことが大切です。

   では、どうすればやる気の出ない物事に手をつけていけるのでしょうか――。それは「気分に頼らずに手を付け始める」ことです。

   たったそれだけの、とても簡単なことのようですが、これまではオフィスに行けば自然とやらざるを得なかった「当たり前」も、自分自身できちんと管理しないといけないとなると、それが難しいこともあります。

完璧主義を手放して「100点」は目指さない

   手を動かし始めると、最初は気分が乗らなかったとしても、自然と脳が活性化されて、集中状態に入りやすくなります。そのように没頭していくと、セロトニンやドーパミン、βエンドルフィンなどの幸福を感じる脳内物質が分泌され、人は幸せな状態になります。

   幸福を感じているあいだは「やる気」云々の問題は関係ありません。気づけばアッという間にその作業が終わっていたなんてこともあるわけです。

   「情熱や想いがないとできない......」といわれる方も多いのですが、そういった想いは根底にさえあれば、行動をしているうちに自然と湧いてくるものです。

   また、手を付ける時に最初から100点を目指さない、というのも大切です。

   スタートの時点で100点満点を目指そうと思うと無意識のうちにプレッシャーがかかり、手を動かすのがとても億劫になります。

   たとえば、何かを始める時「絶対に間違えちゃいけないよ、やるなら完璧にやらなきゃダメだよ! 完璧にできないんだったらやらないでね!」と、言われたことを自ら進んでやりたいと思うでしょうか?

   自分が心からやりたいことであれば、それでも頑張ろうと思えるかもしれませんが、そうでもないことであれば、「そんなに言われるならやりたくないな」と思う方がほとんどではないでしょうか。

   特にコロナ禍の今は、先がどうなるか見えていないことがほとんどです。そんな時に「満点を出そう」と思っても、後にならないと何が満点なのかはまったくわかりません。

   スタート時点では完璧や完成図を目指さずに、まずは60点でもいいからやり始める。間違ったらあとで修正すればいい、そのくらいの柔軟性を持っていると取り組みやすくなります。

   満点の素晴らしい結果を残そう! といったことにフォーカスしすぎずに、ただ淡々と目先の物事ひとつずつを作業していくことが最終的には良い結果につながります。

終わったあとのご褒美を準備する

「これをやり遂げるまで〇〇しないぞ。」
「これが終わったら〇〇するぞ。」

などというように、外的モチベーションをうまく利用するアプローチ法もあります。

   たとえば、この作業が終わったらアイスクリームを食べよう! 好きなだけゴロゴロしよう! といったように、終わった後に自分の心が喜ぶようなご褒美や楽しみを設定して、それに向けて頑張る方法です。

   ただ、ストレスが溜まっている時に「お酒を飲もう!」「買い物をしよう!」といったご褒美を設定していると、反動でお酒を飲みすぎてしまったり、散財しすぎてしまったりといった結果になることもあるので、自分の心の状態をよく見ながら、意図的に使用していきましょう。

   現在の状況は、心のコントロールがとても重要です。一つひとつの行動も、心の筋トレだと意識しながら臨むことで、よりしなやかで強い心に鍛えられますよ。(くぼた茜)

くぼた 茜
くぼた 茜(くぼた・あかね)
1987年生まれ。Bloomer's Salon代表。ON+OFF認定メンタルトレーナー
10代から地方でモデルとして活動。その後、ユニット活動で海外・日本全国のイベントに出演したほか、テレビCMや雑誌・新聞などで活躍した。しかし上京後、芸能界で活動する中でさまざまな緊張やプレッシャー、人間関係などのストレス負荷を受け、耐えきれずに挫折。メンタルヘルスの大切さを実感した。その経験を生かして、現在はメンタルトレーナーとして活動している。
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