「きょうは何を食べにいこうか?」
「う~ん、なんでもいいかな!」
「じゃあ、お蕎麦食べに行かない?」
「そうだね、でもお蕎麦はあまり好きじゃないんだ。」
「そっか。あ! じゃあ新しくオープンしたハンバーグ屋さんはどうかな?」
「いいね。でもオープンしたばかりだから混んでるんじゃないかな。」
こんな話を、みなさんは過去に何度か経験したことがあるのではないでしょうか。何を聞いても「そうですね。でも......」と、切り返されて永遠に会話が終わらない。せっかちな人なら、「じゃあお互い好きなところで!」と、早々に言いたくなるかもしれません。
「はい。でも......」は「Yes,butゲーム」だった
こういったやり取りが日々繰り返されると、小さなモヤモヤが大きくつもり、ついには人間関係がうまくいかなくなる、ということがあります。
これが仕事の場面となると、さらに大変です。
何をアドバイスしても、「〇〇さんのいうことはわかります。でも......」などと受け入れてもらえないとなると、円滑に仕事が進まず、多大なストレスになることもあります。この「はい。でも......」の裏側には、どんな心理があるのでしょうか?
そんな相手の心理状態と対処法を、考えてみましょう。
「はい。」と、一度相手の意見を受け入れたけれども、そのあとに「でも......」と、すぐに否定してしまう「Yes,but......」
このコミュニケーションを繰り返されると、相手の役に立てない無力感や時間をムダに使ってしまったような感覚になってしまいます。
これは「イエス・バット」ゲームという心理ゲームの一種です。心理ゲームとは、無意識のうちに相手に仕掛けてしまう、イヤな後味の残るコミュニケーションのゲームのことをいいます。
相手を不快にさせないために、意図的に「イエス・バット法」をコミュニケーションに使用する方がいらっしゃいますが、今回は無意識のうちに始まり、コミュニケーションが終わったあとに、なんとなくイヤな後味が残ってしまう「遣り取り」をいうようにします。