「よし、明日から早起きしてランニングをしよう!」と決めていたにもかかわらず、朝、布団から出るのがイヤだ。頑張って起きたのはいいけれど、やっぱり寒いから外に出たくない。
ランニングだけではありません。読書や勉強など、「続けるぞ!」と決めたことを「今日はやめて明日にしよう......」と先延ばしにしてズルズルとやらなくなってしまう。誰しも一度は、そんな経験をしたことがあるのではないでしょうか――。
行動を分解して、初めの一歩のハードルを下げる。
新たに始めたことを継続するのが苦手だ、という方はたくさんいらっしゃいます。しかし、それらは行動ハードルを下げることで、うまくいくことがあります!
たとえばランニングの場合、「行こう!」と決めたけれど布団から出られないというのは、行動のハードルが高いせいです。
「布団から出る=ランニングに行く」という方程式が自然とできているため、イヤになるのです。暖かくぬくぬくした布団から出て、寒い外へ出て走るということを考えると、イヤになって当たり前ともいえますよね。
そんな時は行動を分解して、できる限りハードルを下げて行動してみると、自然とランニングができるようになるかもしれません。
「ランニングに行く」のではなく、たとえば「歯磨きをする」「ウェアを着る」などというところに行動目標をセットしてみるのです。
暖かい布団から出てランニングに行くことは難しくても、起きて歯磨きをしたり、ウェアに着替えたりするだけなら、行動に移せるのではないでしょうか。
仮に、歯磨きをした後やウェアを着た後にまた脱いで布団に戻って、二度寝してしまってもかまいません。しかし、実際はというと歯磨きしているうちに目が覚め、なんとなく走ってもいいかな...... という気持ちになっているのです。
走るまではいかなくても、靴を履いてみるくらいなら、外に出るだけなら、歩くくらいなら、というふうに、最終のゴール(ランニングに行くこと)の手前に細かな目標をセットして行動していくと、気づけば走り切れているのです。
ポイントは、最後までやり遂げようと思わないこと
ここで大切なポイントは、最初の段階(布団にいる段階)で「最後まで走り切ろう!」と無理して思わないことです。自然とやる気が溢れている時はかまいませんが、やる気の出ない時に「最後まで頑張るぞ!」と思っても、気持ちが萎えてしまうばかりです。
つまり、行動のどの段階でやめてもかまわないぐらいの「余裕」をもつということです。靴を履いた段階で戻ってもかまわないし、外に出ただけで戻ってもかまわない。ただ、次の一歩だけをやる、という気持ちで行動すれば、気づいたらいつの間にか走り終わっているのです。
行動を分解してハードルを下げることは、ランニング以外にも、もちろん有効です。「腹筋をしなきゃいけないのにできない」と言っていた、ある俳優さんは「腹筋をする=何十回×何セットする」と決めていたため、始める時のハードルが高く、やる気よりも面倒な気持ちが勝ってしまっていました。
しかし、とことんハードルを下げ、まず「マットを敷いて寝転がる」ところから、やるようにしました。すると自然と、1回くらい、10回くらい、もう10回、ここまできたら...... と、もともとの目標回数をいつの間にかクリアできるようになったのです。
毎日勉強するぞ!と気負わず、まずは毎日ノートを開くところまで。書きたくなったら書く。書きたくならなかったら、そこでやめる。それを繰り返していると、自然と今日はやってみるか、あと1ページやってみるか、とクリアしていけます。
溜まった事務処理作業も、一気に全部やるぞ! と思わず、「とりあえず、ここまで」と、こまめに区切り、ハードルを下げて取り組みましょう。(くぼた茜)