はじめまして! メンタルトレーナーのくぼた茜です。オフィスでは毎日、さまざまなイヤなこと、気が滅入ること、負担を感じること...... があると思います。そんな思いを、どのようにはね飛ばしていけばよいかを、「メンタルトレーニング」を通して解決していく対処法をお伝えしていこうと思います。
そもそも「メントレ」、メンタルトレーニングとはなんなのか――。
メントレとは、自分のメンタルをコントロールして目標達成する「心の筋トレ」のこと。たとえば、カウンセリングが、身体へのリハビリだとすると、メントレはその名のとおり、トレーニングのことです。メンタルが不調に陥る前に、トレーニングで自分のメンタルをコントロールする力をつけるのです。
さて、今回は外資系不動産会社で働くMさんからのご相談です。
どうしたらいい? 感情のコントロールができない先輩への対応
新規で立ち上げられた女性3人の部署で働くMさん。同じ部署の先輩女性でもあるAさんが、ネガティブな感情をまき散らすことが、Mさんのストレスになっています。
先日もAさんが体調不良で午後から出社。そのためにMさんの仕事が増えてしまったそうですが、ひと言の謝罪もないどころか、イライラをぶつけられたそうです。そして、Mさんは残業することになり、ストレスがマックスに......。そんなとき、どう対処すればいいのでしょうか――。
自分の体調がすぐれないと、知らず知らずのうちに周囲に「負のオーラ」をまき散らしていることは、誰しも少なからずありますよね。とはいえ、それが行き過ぎる人がいると、やはりそこはギスギスした雰囲気になってきます。では、どうすれば......。
ここでまず大切になってくるのが、相手をどうにかしようなどと思わないことです。
「なぜこの相手はこうなのだろう?」
「もっと相手はこうするべきなのに、なぜそれをしないのか?」
と、相手の行動について思いを巡らせているあいだは、あなたのストレスがどんどん溜まっていくだけです。
この場合、Mさんの胸中に巡る思いは、
「なぜAさんは遅れてきて、ひと言も謝らないのか?」
「なぜイライラを他人に対して平気でぶつけるのか?」
などでしょう。
自分のコントロールできることに置き換える
そもそも、「相手」というのは、自分がコントロールできる範疇ではありません。コントロールできないことを、いくら考えても何も変わらないのです。
相手の問題は相手の問題であって、自分自身が考えたところでどうにもなりませんし、その相手のせいでその日増えてしまった仕事量を嘆いたところで、それも変わりません。
自分でコントロールできないものをコントロールしようとするから、苦しくなるのです。
つまり、相手はコントロールできないと捉えて、自分のコントロールできることに置き換えることがポイントです。
では、自分のコントロールできることとは何でしょう。
それは「今」と「自分」この二つです。自分の感情は受け止めたうえで、相手や起こっている出来事(仕事)に対して、「今」「自分」がどう行動するのか。この二つは、自分自身で決めることができます。
そして決めた後は、それに対して集中することです。
もちろん、自分の思いを伝えるのも一つの手ではあります。しかし、その場合は自分や相手の置かれている立場や伝え方によっては、さらなるストレスを招くことになりかねません。伝えた後のことまで、しっかり考えて行動することが必要です。
Mさんの場合であれば、Aさんのことなど放っておき、早く帰るために仕事に集中するのも一つの方法だと思います。
事情を説明して他の人に手伝ってもらったり、次の日にできる仕事は翌日に回すことも選択肢に入るでしょう。
どうしても立場上相手の話を聞かなければならないのであれば、受け止め方や聞き方を変えることは「今」「自分」ができます。
そこで、話の受け止め方のトレーニング法を紹介しましょう。
相手の感情は受け取らない
人に言われることを、すべて受け取っていては身が持ちません。一般に、ストレスを受けやすい人は、相手から与えられるものすべてを受け取ってしまう傾向にあります。
自分を成長させるために必要なことは、耳が痛くても聞く必要はありますが、八つ当たりや理不尽な怒りは、受け取らないことが最善の方法です。
では、こんなイメージトレーニングを!
目の前に3つの箱を準備してみましょう。
・相手の言う内容を聞く必要があれば〇のBOX
・聞く必要がなければ×のBOX
・どちらか判断がつかない場合は?のBOXへ
内容に関わらず、相手の怒りなどのネガティブな感情は×に入れることです。
感情を受け取ってしまうと物事の冷静な判断が難しくなります。
×のBOXに入れたものは、それを捨てるところまでイメージできると、さらにいいでしょう。
職場内だけでなく、さまざまなシーンで使ってみてください。「心の筋トレ」になりますよ。(くぼた茜)