地に足をつけてメリハリをつけた対応を
現在も、リアルタイムで企業をサポートしながら、講演や執筆活動などを通してクレーム対策の必要性を伝えている。
不安を感じている読者のみなさんは、「『終わり』のないクレームはない」ということを覚えておいてほしい。
クレーマーと一口にいっても、一時的にカッとなって暴言を吐く人がいたり、こだわりや思い入れが強すぎて非常識な要求を突きつけたりする人がいる。また、クレームに名を借りて金品を欺しとろうとする輩もいる。
しかし、どんな場合でも、クレーマーにはそれぞれ「ツボ」があり、対応のコツを押さえておけば解決できる。
たとえば、はじめから悪意があるわけではなく、ちょっとしたきっかけでへそを曲げてしまった人には、すみやかに誠意を込めてお詫びすることが最も有効な対処法だ。一方、詐欺まがいの悪質なクレーマーには、担当者だけで解決を目指すのではなく、組織として対応し長期戦にもち込むことがポイントである。
このように、地に足をつけてメリハリをつけた対応をすることで、どんなトラブルも遅かれ早かれ、終焉を迎えるはずだ。
連載は、今回で最終回となる。
グレーな社会の中で不安を感じ、頭を痛めている皆様にとって、これまでの連載がひとつの「羅針盤」になることを心から願っている。(援川聡)