災害ボランティアの「落とし穴」とは

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   未曾有の災害「東日本大震災」から4年が経過した。いつ起こるか予測のできない災害、首都直下型や南海・東南海地震への恐怖心は、日本人のだれもが持っている。

   また、温暖化による異常気象に対する不安も大きい。昨(2014)年の夏、74人が犠牲になった地元広島の土砂災害では、友人も被災(自宅が半壊)して避難生活を続けている。

   先月末、その友人を勇気づけたいと、災害から半年経過したのを機に「励ます会」を開催した。土砂への恐怖が強かっただけに「五体満足でいられる今が幸せだ」としみじみ話していた。

サークル活動誘われ、その後・・・

思わぬ落とし穴が
思わぬ落とし穴が

   東北の復旧は道半ば、復興に向けて長い道のりが続くが、ボランティアの役割が大きい事は誰もが認めるところ。被災地に、遠い春を呼びよせる「若さとパワー」。

   広島で被災した友人も、ボランティア活動には「たいへん勇気づけられた」と感謝の気持ちを語った。

   しかし、その酒宴が進むにつれて饒舌になってきた別の友人が、こうしたボランティア活動の一部に潜む落とし穴についての体験を話しだした。曰く「学生ボランティアとして被災地に入った息子さんが、宗教団体に勧誘された」というのだ。その手口はこうだ。救援活動が落ち着いた時期に慰労会が開かれることになった。その席でボランティアのリーダー格から「今回のことをきっかけに、社会奉仕の活動を続け人間性を高めよう」と、サークル活動誘われた。参加して分かったことはある宗教関係の集まりで、その後もしつこく勧誘されて困惑したというのである。

   私は、このやり取りから、ある捜査現場の記憶を呼び覚ました。それは、警察時代の最後の仕事であり、まさに「心の闇」に巣食う凶悪犯罪の現場であった。

援川 聡(えんかわ・さとる)
1956年生まれ。大阪府警OB。元刑事の経験を生かし、多くのトラブルや悪質クレームを解決してきたプロの「特命担当」。2002年、企業などのトラブル管理・解決を支援するエンゴシステムを設立、代表取締役に就任。著書に『理不尽な人に克つ方法』(小学館)、『現場の悩みを知り尽くしたプロが教える クレーム対応の教科書』(ダイヤモンド社)など多数。
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