「自分好き」営業パーソンの死角

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聞き出した優先課題を踏まえ、自分の道理を活かすロジックを考えよう

   取引先の道理に合わせる姿勢があくまで前提。その上で自分の道理を巧みに織り込む、戦略性をもつことが大事。そこで、まずは取引先の優先課題を探り、その緊急度や重要度を把握することが大切。取引先のスケジュールを把握したうえで、商談を進めやすいタイミングを見計らうわけです。タイミングを見極めるための質問がいくつかあります。例えば、

「時間を割かれているお仕事は何でしょうか?納期は決まっているのですか?」
「今はお忙しいですか?そのお忙しいのはいつ頃まで続きそうでしょうか?」

   会話の中でさりげなく尋ねてください。こうして、聞き出した優先課題を踏まえて、自分の道理を活かすロジックを考えましょう。例えば、取引先は、これから数か月は忙しくて当方の提案を検討する時間が無い様子。ただ、自分的には今月中に結論をいただき、契約を締結したいとき、

「社内稟議に必要な資料の作成をお手伝いしましょうか?」

と手間を代行する気配りの提案や

「本件はお早めに決断した方が得策と存じます。なぜならば・・・」

   と相手の立場に立ったロジックを提示して、決断を早める進言をしましょう。仮に「早めの決断は無理」と回答されても、お互いの関係が悪くなることはありません。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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