「自分好き」営業パーソンの死角

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   「自分好き」になれないと自信がもてない・・・という人がいます。確かに「自分は分析力が壊滅的に弱い」とか自分の悪いところをあげて、減点方式で自分を評価し、自分の良いところが見えなくなってしまうのは良くないこと。

   ただ、自分好き過ぎるのも如何なものか?とくに、仕事で社外の人と接する機会の多い、営業職ではマイナスに影響するケースは見受けられます。「自分好きイコール自分本位」で仕事を進めようとするからです。本来は「自分好き」でなく、「相手(取引先)好き」なスタンスでなければいけません。

「相手好き」なスタンスを示す第一歩は、優先課題を探ること

「自分好き」よりも・・・
「自分好き」よりも・・・

   例えば、相手好きなスタンスを示す第一歩は、優先課題を探ること。優先課題とは、取引先が抱えているたくさんの課題の中で、何を置いてもやらなければいけない仕事のことです。おそらく、営業が売りたいと思う案件(商品・サービス)について高い優先度である可能性は低いはず。それが当たり前。もちろん、取引先の優先課題が、あなたの売りたい案件なら、

「詳しい話をもっと聞かせてもらえるかな」

といったトントン拍子ですすむでしょう。しかし、そんなケースはめったにありません。大抵は

「今、決算期だから忙しいのだよ」

などと言われて、なかなか前に進みません。別に重要な事案(やるべき仕事)があるはず。そこで、案件の検討はズルズル後回しになりがち。検討と決済をするための時間が必要になります。では、検討と決済を早めるにはどうしたらいいのか?まず、大事なことは取引先が今、抱えている優先課題をすべて把握すること。しかも、優先順位を含めて。それを把握できれば、案件がいつごろ決済されるか時期がみえてきます。ところが、この取引先の優先順位を把握せず

「売上予算を達成するためには、今月中に契約をして欲しい」

という願望があらわな自分本位な営業もいます。でも、それでは優先順位が早まらないどころか、検討が進まず、案件は「失注(契約に至らない)」の可能性が大。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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