「刑事気質で撃退」をやめると急に・・・
苦しみながらも投げ出さずにクレーマーと向き合い、トラブルを乗り越えてきたが、あっという間に20年近くが過ぎた。何度も窮した場面に出くわしたが「肝据えて」何とか乗り越え今日があるのは、亡き恩師の教えを信じ、心の支えがあったからである。
そして、あるときから決着を急がず、相手のクレーマーを納得させようと焦ったり、刑事気質で撃退しようとしたりするのをやめて急に楽になった。
現在の私は、相手がどのような立場に立ったお客様だとしても「土下座」をすることは絶対にない。深々と頭を下げてお詫びの気持ちを伝えるが、「土下座をしろ!」と言われれば「申し訳ありませんが、土下座はできません」とお断りする。
また、クレーマーの自宅を訪問しても、長時間足のしびれを我慢する苦労はない。
訪問先でのやり方は、こうだ。何らかの理由でクレームが発生し、お詫びのために訪問しているわけだから、当然のように最初は正座してお詫びの言葉を述べる。
10分経過した。ころ合いを見て相手に切り出す。「大変申し訳ありませんが、足を崩させていただきます」「少し腰(膝)が悪いものですから。失礼します」とことわり自ら足を崩す。焦らず、我慢せず勇気を持って積極的に「お断り」する方法だ。
ここで、謝罪から話し合いに方向転換するが、シッカリ礼を尽くしていれば、拒否され怒鳴られることはまずない。
万が一、足を崩すことが許されず正座を強要されたら、話し合いを拒否されたわけであるから「今日は話し合いに応じていただけないようですから、出直します」と退去する。