隠された「動機や目的」
そもそも、「正論モンスター」の常軌を逸した行動の裏には、さまざまな動機や目的が隠されている。
これまでも触れてきたが、団塊世代に多いのが、寂しさを埋め合わせるように「説教魔」になるパターンだ。彼らは、モンスターの名にふさわしく傍若無人な振る舞いをするが、その心の奥底には強烈な思い入れのあることが多い。
モンスターペアレントは、我が子に対する強烈な愛着があり、それがいびつな形で噴き出している。
「クラスの集合写真では、うちの子を真ん中にしてほしい」
「学校は勉強をするところ。うちの子だけには放課後に掃除をさせないで!」
また、モンスターペイシェント(患者)には、自分や家族の健康・生命への渇望があり、それが満たされないと怒りを爆発させる。
こんなケースがある。ある病院で、深夜に子どもを抱いた母親が飛び込んできた。その表情は青ざめている。当直にあたっていた脳外科医に母親は突っかかる。
「どうして小児科の先生がいないの! あなた脳外科? それでわかるの? すぐに小児科の先生を呼んできて!」
子どもは鼻水をたらしてはいるが、体温は37度程度でとくに心配するような所見はない。しかし、母親の興奮は収まらない。
「うちの子になにかあったらどうするの! 訴えますよ!」
こうした光景は、どこの病院でも見かけられる。