店舗スタッフの「話し方」にクレーム
また、あるブティックには「鼻にかかった話し方をされ、バカにされたようで気分が悪い」と、女性スタッフの接客態度を責め立てる常連客がいた。
彼女の話し方は個性であり、とりたてて非難されるべきことではないが、この客は執拗に抗議の電話をかけてくるため、しかたなく客の自宅まで行って、お詫びしなければならなかった。
東日本大震災での原発事故以後、「被ばく」に対する不安が多くのクレームを生んでいる。そのなかに、こんなケースがあった。
「ペットフードの原料が、放射性物質に汚染されていないかどうか、とても心配だ。詳細な分析データを送ってほしい」
ペットも家族の一員ではあるだろうが、実態把握は容易ではなく、一企業に詳しい情報を個別に求めるのは酷な話である。
中国産の食品問題がクローズアップされると、安全性に不安を持つ消費者からは、こんなクレームが食品メーカーに届いている。
「ポテトチップスを買って食べたが、いつもと違う味がした。包装の裏面表示を見たら、中国産の原料を使っている。国産品と思って購入したのに、裏切られた思いだ」
このメーカーでは従来、中国産のジャガイモを使っている。調理法も変わっていないという。どうやら、「味の変化」は、ワイドショーをみて不安になった消費者の体調(不安な心理状態)が原因のようだった。
人それぞれ感性は異なるが、あまりにこだわりが強いと、行政機関といえども対応のしようがないだろう。(援川聡)