「団塊世代」に増えるモンスター 引退後「相手にされない」寂しさが暴発

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   ご近所トラブルの原因は、ペットのほかに騒音やゴミ処理、境界、日照、あるいは眺望や隣人からの監視やなど、数え上げたらきりがない。「さしあたって、ご近所とはうまくやっている」という人も、気になることが一つや二つはあるだろう。

   ご近所トラブルはいまに始まったことではないが、問題は、常識がまったく通用しない「ご近所モンスター」が急増していることだ。

突然、ひとりの老人が和食レストランで大声を張り上げた

レストランで突然...
レストランで突然...

   ご近所トラブルが厄介なのは、きっかけは些細な揉め事でも、積もり積もって深刻な事態に追い込まれる恐れがあることだ。殺人という凶悪犯罪には巻き込まれなくても、日常的に嫌がらせを受け、ノイローゼになるケースは珍しくない。

   また、地域社会では「ご近所」としての付き合いが継続するため、あまり強硬な態度がとれないこともある。苦手な隣人にコミュニティから出ていってもらったり、自ら引っ越したりするのは容易なことではない。

   東日本大震災以降、人と人との「絆」が声高に叫ばれるようになった。たしかに「有事」の際には、この絆がモノを言う。しかし、日常という「平時」においては、絆がもつれて「柵(しがらみ)」となり、そのなかで普通の人々がモンスターと化してしまうことがある。

「かけがえのない時間がぶち壊しだ!」

   突然、ひとりの老人が和食レストランで大声を張り上げた。そのすぐ横では、泣きべそをかく幼児を父母があやしている。ウエイターが慌てて駆けつける。

「孫が怪我をしたら、どうするんだ!」

   老人は顔を真っ赤にして叱責する。

「申し訳ありません。大丈夫ですか?」
「大丈夫なわけがないだろう。こんなに泣いているじゃないか!」
援川 聡(えんかわ・さとる)
1956年生まれ。大阪府警OB。元刑事の経験を生かし、多くのトラブルや悪質クレームを解決してきたプロの「特命担当」。2002年、企業などのトラブル管理・解決を支援するエンゴシステムを設立、代表取締役に就任。著書に『理不尽な人に克つ方法』(小学館)、『現場の悩みを知り尽くしたプロが教える クレーム対応の教科書』(ダイヤモンド社)など多数。
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