「現場で役立つ」クレーム対応策 このガイドラインが威力を発揮する

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   今回は、クレーム対応の流れに沿って、基本的な考え方を解説しましょう。前回説明した通り、多くの企業で「お客様苦情対応マニュアル」が作られていますが、1分1秒を争うこともあるクレーム発生現場では意外に役に立ちません。そこで、私はクレーム対応のポイントを簡潔にまとめた「ガイドライン」の作成を勧めています(次ページのガイドライン参照)。

   このようなガイドラインをA4サイズの用紙にまとめてラミネートして机の上においておけば、いざと言うときも臨機応変に対応できるはずです。

「謝って済む問題」にすることが、初期対応のポイント

「謝って済む問題」にする
「謝って済む問題」にする

   また、名刺サイズにコンパクト化できれば、お守り、魔よけの札代わりに財布などに入れて身につけておくこともできますし、仲間うちで意思の徹底を図ることにもなり一石二鳥です。

   ガイドラインの基本方針から確認したいのは、「クレームを金銭で解決しない」「根拠のない金は支払わない」。「誠意を見せろ!」はクレーマーの常套句ですが誠意とはお金ではありません。ここをしっかりとおさえて欲しいと思います。

   クレームの大半は「たいへん失礼しました。すぐに商品をお取り替えいたします」とスピーディに対応し、誠心誠意お詫びをすれば、収束に向かいます。つまり、「謝って済む問題」にすることが、初期対応のポイントとなるわけです。

援川 聡(えんかわ・さとる)
1956年生まれ。大阪府警OB。元刑事の経験を生かし、多くのトラブルや悪質クレームを解決してきたプロの「特命担当」。2002年、企業などのトラブル管理・解決を支援するエンゴシステムを設立、代表取締役に就任。著書に『理不尽な人に克つ方法』(小学館)、『現場の悩みを知り尽くしたプロが教える クレーム対応の教科書』(ダイヤモンド社)など多数。
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