昼にクレームを受け、夜にクレームをつける
「お客様は何様ですか!」
キャクソー(お「客」様「相」談室)からは、心の悲鳴が聞こえる。
私は講演やセミナーが終わったあと、参加者と懇談するのを楽しみにしている。クレーム対応の担当者から本音を聞けるからだ。ときには、懇親会と称して、こじんまりした酒宴を開くこともある。家内は「ただ飲みたいだけでしょ」と憎まれ口をたたくが、貴重な情報交換の場であることも事実だ。
その宴席がたまに荒れることがある。あちこちで手拍子が始まったと思ったら、いつの間にか、キャクソーのメンバーがクレーマーの集団と化しているのである。
「ビールの置き方が悪い」
「もっと早く料理を持ってこいよ」
「こんなまずい料理、伝票につけるなよ」
仕事のストレスが、こうした行動に駆り立てるのだろう。昼にクレームを受け、夜にクレームをつけるわけである。これは「負の連鎖」、あるいは「複合汚染」である。(援川聡)