キャク(客)ソー(相談)担当者が「逆クレーマー」に変身 心の悲鳴が「負に連鎖」する時

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昼にクレームを受け、夜にクレームをつける

「お客様は何様ですか!」

   キャクソー(お「客」様「相」談室)からは、心の悲鳴が聞こえる。

   私は講演やセミナーが終わったあと、参加者と懇談するのを楽しみにしている。クレーム対応の担当者から本音を聞けるからだ。ときには、懇親会と称して、こじんまりした酒宴を開くこともある。家内は「ただ飲みたいだけでしょ」と憎まれ口をたたくが、貴重な情報交換の場であることも事実だ。

   その宴席がたまに荒れることがある。あちこちで手拍子が始まったと思ったら、いつの間にか、キャクソーのメンバーがクレーマーの集団と化しているのである。

「ビールの置き方が悪い」
「もっと早く料理を持ってこいよ」
「こんなまずい料理、伝票につけるなよ」

   仕事のストレスが、こうした行動に駆り立てるのだろう。昼にクレームを受け、夜にクレームをつけるわけである。これは「負の連鎖」、あるいは「複合汚染」である。(援川聡)

援川 聡(えんかわ・さとる)
1956年生まれ。大阪府警OB。元刑事の経験を生かし、多くのトラブルや悪質クレームを解決してきたプロの「特命担当」。2002年、企業などのトラブル管理・解決を支援するエンゴシステムを設立、代表取締役に就任。著書に『理不尽な人に克つ方法』(小学館)、『現場の悩みを知り尽くしたプロが教える クレーム対応の教科書』(ダイヤモンド社)など多数。
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