「京都の水道から有馬温泉が出た?」。京都市山科区で2025年1月に発生した水道管の漏水について、京都新聞が報じた地元住民の声がネットで話題になっている。
そもそもの漏水の理由は、水道管の老朽化で、鉄さびが水道から流れ出てきたものだったという。一方で、「本物の京都弁やん」「タイトルが京都しぐさ」など、そのニュースの見出しがインターネットで話題に。2月7日に記事を投稿した京都新聞の公式Xは、1万近いリポストと2.3万いいね(16日現在)を集めている。
「どんな嫌味を込めてるのかしら」
兵庫県にある有馬温泉は、金泉というにごり湯があり、鉄分を多量に含むために酸化し、茶色い湯が特徴。その有馬温泉を水道から出てくる鉄さびに例えた京都人的な言い回しに、ネットでは衝撃を受けたよう。
「お風呂の水が茶色だった。有馬温泉みたいでびっくりした」との京都市民の声に、ネット上では、
「どんな嫌味を込めてるのかしら」 「京都に温泉無いからて、えらいおもしろいこと言わはるねぇ。四条河原へ水汲みに行かはったらどうですえ? (当方、京都人ですが、自虐にて場を納めてさせていただきます)」
といった反応の一方で、「お風呂の水が有馬温泉は贅沢すぎるやろ」との声も寄せられた。
京都人の遠回しな物言いは、「いけず」として語られることが多い。かつて「ぶぶ漬けでもどうどす?」が「早く帰りなさい」の意味だと語られたように、今回の「有馬温泉発言」もまた、京都らしい「遠まわしの本音」なのかもしれない。
他地方民からは、本音が分かりにくいと言われる京都人のことば。映画「翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜」では、京都人の本音を読み解くには翻訳機が必要とも揶揄されたほどだ。
そのため、ネット上では、「いけず」な言葉を「翻訳」した情報が溢れている。
例えば、近所の子どものピアノの音が気になるときには、「お子さん、ピアノ上手にならはりましたなぁ」。これは「そろそろ控えてほしいなぁ」というのが真意だそうだ。 「広いお家で育ちはったんやねぇ」と言えば、「会話の音量を小さくしてほしい」という意味に。また「あなたらしいよねぇ」と一見良く思える表現も、実際は「他の人にはできひんよ、私はしないよ、どうぞお好きに」という意味に様変わりしてしまうというわけだ。