座りにくい広場の「意地悪ベンチ」が大波紋 背景に騒音問題?新宿区「やむを得ず暫定的に」

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コーン設置の効果については、「明確なことはまだ出ていません」

   道路課によると、21年4月にコロナ禍の中で騒音に苦情があったことから、ベンチにロープなどを張って利用を中止した。同年8月にベンチに今回のコーンを3人分の座席すべてに設置したが、同年12月には、コーンをすべて撤去した。

   ところが、また苦情が出るようになって、23年9月8日から、現在のように2人分の座席にコーンを設置している。1人分を残している理由については、「あくまで座っていただくためのベンチですので、座る個所を一部に残しました」と説明した。

   夜中にどんな人たちが集まって騒ぐのかについては、分からないという。ホームレスは、広場周辺には確認されておらず、その対策を念頭に置いているわけではないとした。騒いだ後には、空き缶やタバコの吸い殻が散乱しており、区でも清掃対応をしているという。

   コーン設置の効果については、「明確なことはまだ出ていません」と述べた。座りにくいといった苦情は、これまでに来ていないという。今後どうするかについては、地元町内会と話し合って決めたいとしている。

   「夜間は会話を控えてください」との立て看板を立てた地元町内会の会長は7月17日、取材に対し、次のように話した。

「食べたり飲んだりしたゴミが残っていることがありますので、清掃美化のため、定期的に町内会でも掃除をしています。しかし、騒音のトラブルは、あまり聞いたことがなく、現在は平穏ではないかと思います。ホームレスの方は、見たことがありませんね。ローラースケートや楽器演奏などは禁じられており、そのためにもベンチにコーンが設置されているのだと思います。座るのに困ったという話も聞かないですし、設置を止めてほしいとは考えていません」

   一方、今回のベンチについて、新宿区の吉住健一区長は16日、自らのXで、「現状では良くないと考えています」として、次のように投稿した。

「広場ができて以来、苦情が絶えない状況が続いていたので、現場も悩んだ末の暫定的な対応だと認識しています 有効な対応策を発案し指示を出せなかったのは私の責任です 現地の方々と相談しながら、今後のあり方をなるべく早く決めていきたいと考えています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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