心からの「ありがとう」に涙 メンタル不調で退職した若者が「働きがい」を発見した出来事とは

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感謝は「働きがい」の原動力

   上司は自分が動くのではなく、部下たちに動いてもらうことが本来業務です。

   十数年来、「部下への感謝のエピソード」を聴き続けていますが、エピソードのバリエーションはさまざまで時代の変化もありますが、根底には普遍的な共通のマネジメントの真理があります。

   それは、上司側が口うるさく指示していないにも関わらず、「こう動いてくれたら嬉しい」と思う行動を、部下側が主体的にとってくれているということです。

   上司の仕事は部下の心を動かすことですから、上司の求める動きをしてくれた部下には感謝し、どんどん言葉にして伝えるべきです。

   そうすると部下も働く喜びを実感し、そうした行動に拍車をかけていくことになるでしょう。すべての部下がそうした動きをしてくれるようになることは、上司の責務を果たすことにつながります。

   つまり、部下への感謝は上司の義務といえます。部下一人ひとりの働きに感謝できないなら、厳しいですが、上司失格なのです。

   Aさんが、ティッシュ配りの仕事で働きがいを発見できたのは、お客様から直接「ありがとう」の感謝をいただけたことで、自分にも「お役立ち」ができ、自己効力感を得られたからです。

   こうした、顧客や社会への貢献を実感できる体験を、意識的に部下に提供することが大切です。

   経験の浅い若手の部下に対しては、上司が日々の仕事を通した「小さな感謝や承認」を伝えながら、少しずつ働きがいを感じさせていくことです。「部下への感謝のエピソード」が示すように、部下への感謝に気づくことは上司自身をも幸せにし、働きがいに通じるものです。

   感謝すること、されることの力の大きさを、あらためてとらえ直しましょう。感謝は「働きがい」の原動力。大切に育んでいきましょう。

(紹介するエピソードは実際にあったものですが、プライバシー等に配慮し一部変更を加えています。)



【筆者プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお):株式会社FeelWorks代表取締役。青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授。人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業のFeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。
近著に、『部下全員が活躍する上司力5つのステップ』(FeelWorks、2023年3月)、『部下を活かすマネジメント「新作法」』(労務行政、2023年9月)、『Z世代の早期離職は上司力で激減できる!』(FeelWorks、2024年4月)など。

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