心からの「ありがとう」に涙 メンタル不調で退職した若者が「働きがい」を発見した出来事とは

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上司も心を動かす「感謝のエピソード」

   Aさんのエピソードが物語っていることは何か、考察してみましょう。

   私が営む会社が開講する「上司力(R)研修」の冒頭で、講師から受講者の上司の方々に「部下の育成課題は何ですか」と問いかけると、部下の至らぬ仕事ぶりやミスなど、不満の様子がたくさん溢れ出てきます。

   逆に、「部下に感謝したエピソードを思い出してください」と問い直すと...。

   上司の皆さんの多くは、とたんに口数が減り、困った表情になる人も出てきます。それでも時間をとると、「そう言えば」とぽつりぽつりと「部下に感謝した瞬間」の話が出てきます。

「慣れない部署に着任して不安だった時に、部下からいろいろと教えてもらって、助かった」
「自分が体調不良で休み、仕事が滞りそうになった時に、いろいろ先回りをして済ませておいてくれた」
「部下たちが自分の誕生日を覚えてくれていて、サプライズでお祝いのメッセージをもらい、とても嬉しかった」

   こうしたエピソードを紹介し合う時の上司の皆さんの顔は、とても幸せそうです。

   そして、いかに自分が普段忙しさにかまけて、部下に感謝の気持ちを抱いたり、声かけをしていなかったかに気づくのです。

   「部下への感謝のエピソード」の共有は、なかなか人気のあるセッションなのです。

   その点、Aさんの話に出てくる上司は、反面教師といえるでしょう。

   上司の仕事は、部下の心を前向きに動かし、意欲をもって仕事をしてもらうこと。特に新入社員や若手部下の場合には、いかに職場に必要とされているかを感じてもらうことが不可欠です。

   経験豊富な上司からすれば、些細な仕事と思うことであっても、部下本人の創意工夫が感じられたなら、それを認めポジティブな声かけをしたいものです。

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